高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
唯一の救いは日大学生の潔さ アメフト問題、大学人としての視点

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   日大アメフト問題については、筆者も大学人なので興味深く見ている。

   この事件の関係者には、日大アメフト部の当時の監督(のち辞任)、コーチ、学生選手がいる。筆者は大学スポーツには直接関与してないが、看板スポーツ部であれば、独特の雰囲気があることくらいは承知している。

  • 悪質タックルがあったシーン(提供:関西学院大学)
    悪質タックルがあったシーン(提供:関西学院大学)
  • 悪質タックルがあったシーン(提供:関西学院大学)

日大・危機管理学部の教職員に官僚OBが半数近く

   事件の時系列を整理しておこう。

(2018年)
5月06日:試合当日
10日:関学から日大へ抗議文、日大は謝罪(HP)
11日:日大選手が謝罪を申し出るも、監督が止める(選手証言)
12日:日大コーチと選手が関学に謝罪に行くが関学が拒否
18日:日大選手と親が関学被害選手と親に謝罪
19日:日大監督が関学監督らに謝罪、辞任を表明
22日:日大選手が記者会見
23日:日大前監督、コーチが記者会見

   これだけみても、学生選手のほうが対応が早く、前監督、コーチが後手に回っているのがわかる。

   大学人としてみると、学生選手のほうが社会常識があるのでほっとするとともに、学生に先に行動させざるをえなくしている教職員には情けない思いだ。

   どこの大学にも、スポーツに限らず不祥事はありえる。もちろん事前の予防対策は重要だが、事後の危機管理の備えも欠かせない。

と思っていたら、なんと日大には危機管理学部がある。2016年からスタートした新学部であるが、世田谷区の三軒茶屋に校舎があり、入学定員は300人と結構な規模である。

   筆者の悪いクセで、教授陣がどうなっているのかが気になる。ホームページで教員一覧があるので、教授20人の略歴をみると、9人が官僚OBであった。出身省庁は、法務3、警察3、国交省1、防衛2であった。官僚は、あまり危機管理は得意でないと思うのだが。

   いずれにしても、危機管理学部には今回の事件を是非ともケーススタディに取り上げていただきたいと思う。

   それに、同学部にはマスコミ出身も1人いる。なお、日大広報部は、マスコミ関係者を顧問にしているようだ。

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