長引く日大会見、司会者ブチ切れ 記者「ブランド落ちる」に「落ちません!」

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   「打ち切りますよ?会見」――。日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題をめぐる内田正人・前監督と井上奨コーチの緊急会見で、思わぬ注目を集めたのは「司会者」だった。

   矢継ぎ早に飛ぶ質問に「やめてください」と繰り返したほか、報道陣が質問をしている最中に苛立って「一人で何個も聞かないで」と遮る場面もあった。こうした司会の言動に、ある記者は「日大のブランドが落ちてしまう」と指摘したが、当の司会は「落ちません!」と返した。

  • 中央奥、ネイビーのスーツを着た男性が司会をつとめた
    中央奥、ネイビーのスーツを着た男性が司会をつとめた
  • 頭を下げて謝罪する内田正人前監督(右)と井上奨コーチ
    頭を下げて謝罪する内田正人前監督(右)と井上奨コーチ
  • 中央奥、ネイビーのスーツを着た男性が司会をつとめた
  • 頭を下げて謝罪する内田正人前監督(右)と井上奨コーチ

「全部やるんですか? 無理ですよ」

   2018年5月23日20時に始まった緊急会見では、1度に2つ3つと続けて質問をする報道陣もいた。このような状況が繰り返されるうち、まだ質問内容を述べている最中にもかかわらず、司会者の男性が、

「もうやめてください。やめてください。一人で何個も聞かないでください。他の方も聞きたい方いっぱいいるんですから。やめてください」

と割って入った。しかしその記者は質問を続け、井上コーチも回答。その上でさらに質問しようとする記者に、司会は、

「やめてくださいって言ってるでしょう。打ち切りますよ?会見。他の方も聞きたい方いっぱいいるんですから」

と苛立ったように釘を刺した。

   こうした場面は複数回にわたった。司会者は別の記者の質問でも、途中で遮る形で「そういった仮定の質問はやめてください」と一言。その上で、

「あの、もう21時30分を過ぎましたので、1時間30分以上やってますので、これでもう終わりにしたいと思います」

と突如として会見の終了を宣言した。これに記者が続けて欲しいと反論すると、司会者は、

「こんな何10人もいるのに、全部やるんですか? 何時間かかるかも分からないじゃないですか、無理ですよ。みんな手を上げているのに。あと30人、40人いるのに」

とやや苛立った調子で反論。これに記者が「1人1問にしますので...」などと懇願したが、司会者は聞き入れず「いや、もう終わりにします」。

「迷惑ですから」

   その後、記者が「(前)監督に決めて貰いたい」と水を向けると、内田氏は「続けましょう」と一言。こうしたやり取りを受けて、司会者が不機嫌そうな調子で「1人1問ですよ」と話し、会見は続行した。

   さらに質疑が続くと、司会者は「あと少しにしてください」「あと1人、2人くらいにします」などと発言。さらには「もうこれ以上やっても切りがないし、大体同じ質問が続いているので、これで会見を終わりにします」。

   記者が「では別の質問をします」と食い下がると、

「違う質問だから良いというわけではありません」
「だから、全員からは聞けないですよ。十分に聞きました」
「同じ質問を何度も繰り返されたら迷惑ですから。(特定の記者を指して)あなたは発言するのを、喋るのを止めてください。これだけ聞いたら十分ですよ」

と怒鳴り気味で次々と反論。こうした司会者の強硬な態度に、報道陣から相次いで不満の声が上がった。

   日大は今回の問題において加害者側にあたる。タックルした当該選手は、内田監督と井上コーチがタックルを指示したと22日の会見で証言。こうした立場にあるにもかかわらず、司会の男性は報道陣の追及にフラストレーションを露わにし、強制的に会見を終わらせようとした形となった。ある記者は、「司会者のあなたの発言で、日大のブランドが落ちてしまうかもしれません!」と声を上げたが、司会者は

「落ちません!」

と激高。続けて「余計なこと言わないでください」と述べると、報道陣からは大きな笑いが起きた。

   こうしたやり取りの中で、内田氏が「まずは質問に答えたいと思います」と司会者に向けて宣言したことで、質疑が再開した。

   なお、 会見の終了直後の22時過ぎ、ツイッターでの流行語を表すトレンドワードには、司会者との口論の中である記者が発した「日大のブランド」という言葉が登場していた。

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