アメフトの「危険タックル」問題をめぐって、後手後手の対応が続く日本大学。遂には、反則を犯した選手自身が記者会見を開き、内田正人・前監督とコーチからの指示があったと証言する異例の展開を迎えた。
社会問題にまで発展した悪質プレーの発生から17日。これまでに日大側が取った対応を一つずつ振り返る。
一向に出てこない内田前監督
関西学院大学のクォーターバック(QB)選手を負傷させたプレーが起きたのは2018年5月6日の試合でのこと。この悪質な反則行為について、試合を主催した関東学生アメリカンフットボール連盟が10日、内田氏への厳重注意などの処分を発表した。
日大側が今回の騒動に初めて反応したのも10日だった。連盟の発表を受けて、アメフト部の公式サイト上に、
「今後はこのようなことがないよう、これまで以上に学生と真摯に向き合い指導を徹底してまいります」
などとするお詫びを掲載した。この謝罪文の名義は「日本大学アメリカンフットボール部」。内田氏の名前はなかった。
関学側は12日、日大に「正式な形」での謝罪を求める抗議文を送ったことを明らかに。この日、日大コーチと当該選手の2人が謝罪のため関学を訪れたが、「文書での回答を待ちたい」として断られている。ここでも、内田氏は表に出てこない。
J-CASTニュースは14日、現役選手らアメフト関係者から「チームの反則指示」を疑うような意見が出たことを受け、日大の広報担当者へ取材。反則指示をめぐる見解を尋ねたが、そのときの回答は、
「当然ですけれども、監督やコーチがああいったプレーを指示した事実はありませんし、それはありえません。あくまでプレーは瞬間的なものですので、こちらとしては、今回の件は偶発的なアクシデントだったと認識しております」
だった。大学広報見解を初めて伝えたこのコメントは注目を集め、ツイッターやネット掲示板には「不誠実すぎる」との声が相次いで上がった。