宮川選手の「信頼」裏切った指導者たち
その後、井上コーチは退部を申し出た宮川選手を、もう1人のコーチとともに「お前が辞める必要はないだろう」「向こうとの試合がなくなろうと別にいいだろう」などと慰留する一方、12日には関西学院大学への謝罪に連れ出している(この日は面会できず)。
22日の会見では宮川選手の、複雑な思いがうかがえる場面があった。報道陣から、「監督・コーチ(への)信頼はありましたか」との質問が飛んだときのことだ。
沈黙はおよそ20秒。下唇をかみ、躊躇するようなしぐさを見せたのち、上がったのは内田監督ではなく、井上コーチの名だった。
「井上コーチには、僕が高校2年生のころから、監督をやっていただいていたので、そのころから、『信頼』は――していたのかもしれないです......」
その語尾は、消え入るように小さかった。