「これは明らかに捏造されてると思います」「完全なフェイクニュース」――愛媛県による「新文書」提出により、新たな局面を迎えた加計学園問題だが、ネット上の一部で、その信憑性をことさらに疑う声が上がっている。
その大きな「根拠」となっているのが、文書のフォントをめぐる問題だ。
「獣医大学いいね」部分はゴシック体
2018年5月21日、愛媛県が新たに参議院事務局へ提出した文書では、安倍晋三首相が15年2月25日時点で加計学園の加計孝太郎理事長と面会、学園の獣医学部新設構想を聞かされたとの内容が含まれている。17年1月20日に初めて構想を知った、とする過去の答弁とは食い違う。
安倍首相は22日、面会の事実そのものを否定したものの、22日付の朝日・毎日朝刊はそろって一面トップ、読売・産経も大きく報じた。勢いづくのは野党で、これをてこに、一斉に政権への攻勢を強める構えだ。
一方、ツイッターなどでは、主に政権を支持する人々から、文書が「捏造だ」との主張が見られる。
いったいなぜ? 件の文書は、メディアや野党議員のツイッターなどを通じて、その写真が公開されている。それをつぶさに見ると、フォントに「不自然」な点があるというのだ。
たとえば、最も注目されているこの部分である。
「2/25に理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設定予定の獣医学部では国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学部の考えはいいね。」とのコメントあり。また柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。」
文章は基本的に、明朝体と思われるフォントで構成されている。ところが、上記のうち「首相からは~コメント」「柳瀬首相秘書官~提出するよう指示」の箇所については、ゴシック体と思われる別フォントが使われていることが確認できる。