日大アメフト部員の悪質タックル問題は、ついに部のレベルを超えて、大学全体に影響が及ぶ事態になってきた。
日大が大学幹部の処遇にまで踏み込まないことに、内部の教職員組合から異議の声が上がったのだ。
ついに「内部」からも声上がる
「それは違う問題です」。日大の内田正人監督(62)は2018年5月19日、監督辞任を表明したものの、大学の人事権を持つ常務理事も辞めるかを報道陣に問われ、こう説明した。
ところが、ネット上などでは、教育者としての姿勢自体に問題があり、大学幹部にふさわしくないのではないかとの批判が相次いでいる。対応が後手後手に回ったばかりでなく、悪質タックルを指示したのかなどの疑問には正面から答えようとしなかったからだ。
そして、ここに来て、大学の内部からも声が上がった。
各紙によると、日大の教職員組合は21日、批判を受け止めて、人心を一新するよう大学側に求める声明文を発表した。
そこでは、内田監督について、「辞任だけでは済まされない状況を自ら作ってしまった」として、学内で絶大な権力を行使する立場にあり、大学としてのあり方まで問題視されるようになっていると指摘した。そのうえで、第三者機関による真相究明に協力した者への圧力を禁じ、「批判を真正面から受け止め真摯に反省し、人事及び人心を一新すること」などを求めている。