スピード昇段を続ける将棋の藤井聡太七段(15)の師匠、杉本昌隆七段(49)は「さすがに(八段昇段は)私の方が早いでしょう」とテレビで語った。しかし、その後、状況に変化が......。
杉本七段のテレビ出演と同じ日、日本将棋連盟が八段昇段条件の規定を増やす改定を発表。「藤井八段」誕生に向け、「追い風」と報じるメディアも出た。果たして、八段昇段を先に果たすのは師匠なのか弟子なのか。
師匠は「あと13勝」で昇段だけど
藤井七段は、2016年10月にプロ棋士(四段)となり、12月のデビュー戦で勝利。その後も順調に勝利を重ね、18年2月には「順位戦C級1組昇級」を決め、五段に。さらに同じ2月、一般棋戦で優勝し、たった16日間で六段に昇段した。そして5月18日、竜王戦のランキング戦(予選)で2期連続での昇級を果たし、七段昇段が決まった。
5月21日放送の「ひるおび!」(TBS系)は、こんな藤井七段の活躍を取り上げ、師匠の杉本七段が出演。「藤井八段」誕生の可能性も話題に上った。八段への(この時点での)昇段3条件は
(A)七段昇段後、公式戦190勝
(B)順位戦A級昇級
(C)竜王位1期獲得
師匠と弟子とでどちらが先に八段になりそうか、と質問されると、杉本七段は(A)の条件を念頭に、「あと13勝ですから」と指摘、
「さすがに私の方が早いと思います」
と自信を見せた。
一方、藤井七段に当面、該当する条件は(C)だ。(A)も(B)も時間がかかる条件で、順調に行っても両条件とも3年程度はかかりそうだ。(C)については現在、ランキング戦で勝ち残っており、このまま勝ち進んで挑戦者となり、羽生善治竜王(47)を破れば八段昇段が決まる。決勝にあたる竜王戦7番勝負は、例年10~12月に行われる。つまり、最短で2018年度中の八段昇段があり得るということだ。