アメリカンフットボールの試合で、日本大学の選手が対戦相手の関西学院大学の選手に対して背後からタックルをして負傷させた問題について、2018年5月19日、日大の内田正人監督が謝罪会見を開き、辞意を表明した。
直後から、ネットでは会見の内容への批判が上がっていたが、21日に放送された「とくダネ!」(フジテレビ系)での小倉智昭キャスターも不満を隠さず、「『心外』とおっしゃるんだったら、きちっと話せばいいと思うんですけどね。なんなんでしょうね?」とコメントしつつ、発言内容の問題点を複数指摘した。
指示の有無は「一番聞きたいところ」だが言及避ける
危険タックルの問題が明るみになってから、内田監督はメディアの前に立つことを避けており、「雲隠れ」と批判が寄せられていた。
そんな中、19日には自身が表に出ての初めての会見が開かれ、注目が集まった。騒動の責任は自身にあり、監督を辞任することを発表したが、一方で選手へのタックル指示の有無については言及を避け、「関西学院大学」を「かんせい」ではなく「かんさい」と呼び間違いを繰り返したことへの批判が沸き上がっている。
この会見について、小倉キャスターは
「更に波紋を広げてしまった」
と感想をコメントし、タックルの指示の有無は文書で発表をする、という回答を貫く姿勢に対して、
「そこ(指示について)が一番聞きたいところなんですよね」
と、内容への不満を指摘した。
「一番守りたいのは自分」と痛烈批判
また、監督を辞任する一方、日大の常務理事を辞任することは「関係ない」と否定したことについても、
「アメリカンフットボールの話と常務理事とは関係ないでしょう、という風に本気で思ってらっしゃるのかな?」
と疑問を呈し、
「これ、日大の名を汚したことにもなりかねないような話ですよね。それだったらもうちょっと慎重に対応なさった方がいいんじゃないのかなと思いますけどね...」
と厳しく批判した。
コメンテーターとして出演している作家の橋口いくよさんが、
「目的の後ろにある物が完全に透けて見えちゃった会見や謝罪。選手を守りたいのか、監督の立場を守りたいのか、日大を守りたいのかっていうのがあったときに、どうしても立場や日大を守りたいんじゃないか、というところが見えてしまう、そういうところが目立つ」
と分析すると、小倉キャスターもその意見に同意し、
「一番守りたいのは自分だって感じになっちゃってる」
と、会見の方向性自体も疑問視した。
関西学院大学は、日本大学から回答書を一度受け取っているものの、内容に「誠意がない」として改めて回答を求め、日本大学は24日を目途に文書での回答をするとしている。 また、21日に各メディアが報じたところによると、関西学院大学の負傷した選手側は、内田監督の謝罪と説明は不十分であるとし、被害届を提出したという。