欧米旅行をLCCで安く 日航、「中長距離」参入の勝算

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期待寄せる「機材」

   日航の赤坂社長も記者会見で「長距離のLCCは短距離とはまったく違う。近距離を多頻度で運用するのと長距離は技術的に大きな違いがあり、かなり難しいと思う」と認める。赤坂社長が言う「技術的」とは、飛行機を飛ばすための設備やシベリア上空などを通過する際の高度なオペレーション技術などを指し、LCCがこれらの課題を克服するのは「そう簡単なことではない」という。

   しかし、日航には勝算もあるようだ。日航がLCC子会社で導入するのは燃費性能に優れる最新鋭のボーイング787-8型機だ。赤坂社長は「長距離に最も適しているのが787。機内の快適性も高い。(同機を多数所有する日航は)787のノウハウが蓄積され、この機材を使って中長距離LCCができる確信を深めている」と胸を張った。

   中距離路線のLCCをめぐっては、ANAホールディングス(HD)も傘下のピーチ・アビエーションとバニラ・エアを、2019年度末をめどに統合して参入する計画を明らかにしている。海外のLCCも日本に中長距離路線を就航させる可能性がある。

   日航が新たに参入するLCCは他社との競争だけでなく、同じグループ内の日航のエコノミークラスとの価格競争もある。LCCは安さを武器に、これまで飛行機を利用しなかった観光客らを取り込んだとされるが、日航のLCC戦略が吉と出るか凶と出るか、今から注目される。

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