新潟遺族コメント、テレビが伝えなかった一文 「どうかこのような心情をご理解いただき...」

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   新潟市で小学2年生の女児が殺害され線路に遺棄された事件で、遺族が新潟県警を通じてコメントを出したところ、テレビではその最後の一文を「読まない」報道が相次いだ。

   J-CASTニュースが県警への取材で得た遺族のコメント全文には、メディアに対して取材・撮影の自粛を求める言葉がつづられていた。この一文が多くの番組で読まれなかったことに、インターネット上では疑問の声もあがった。

  • テレビでも報道が続く新潟の女児殺害事件(画像はイメージです)
    テレビでも報道が続く新潟の女児殺害事件(画像はイメージです)
  • テレビでも報道が続く新潟の女児殺害事件(画像はイメージです)

遺族のコメントは5月16日に発表

   遺体遺棄などの疑いで会社員・小林遼(はるか)容疑者が逮捕されてから2日後の2018年5月16日、女児の遺族が新潟県警を通じてコメントを発表した。テレビ各局の報道番組でも、同日夜から翌日朝にかけて取り上げられた。

   同日の「ニュースウォッチ9」(NHK)で、桑子真帆アナウンサーが読み上げたのは、

「私たち家族は、大切な存在である娘を今回の思いがけない出来事で失い、悲しみの中におります。この状況を受け止めることは難しく、また、犯人が捕まったとしても娘が戻ってくることはありません。今は一日も早く、地域の方々や私たち家族が穏やかな生活を取り戻せることを願うばかりです」

という内容だった。

   同日の「報道ステーション」(テレビ朝日系)でも富川悠太アナウンサーが同じ文面を読んだ。同日の「NEWS23」(TBS系)ではナレーションが同じ文面を読み、「NEWS ZERO」(日本テレビ系)や「FNNプライムニュース α」(フジテレビ系)ではナレーションがほぼ同じ箇所を読み上げた。

   翌17日朝の各局ワイドショー番組「スッキリ」(日本テレビ系)、「ビビット」(TBS系)、「とくダネ!」(フジテレビ系)、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)でも、上記文面がナレーションとして読まれた。「モーニングショー」の羽鳥アナウンサーは「ご家族の悲痛なコメントが出されました」と一言添えた。

   ところが、このような放送に違和感を覚える視聴者は少なくなかった。コメントが記載された書面が数秒映された番組もあったが、そこには上記文面に続いて最後に次の一文があった。

「どうかこのような心情をご理解いただき、今後、家族や親族等に対する取材・撮影等についてはご遠慮いただきたいと思います」

テレビ局「被害者の自宅前から...」

   この部分は、内容からして市民一般向けでなく、メディア向けのものと見られるため、あえて読み上げる必要はないと判断された可能性はある。ただ、ツイッター上では、

「どの番組も遺族のコメントを読み上げるも大事な部分がカットされてる」
「遺族コメントの最後の段を省いてるところが多いんだよな...きたない、さすがきたない」
「最後に取材等はご遠慮下さいって書いてあったろー。なんでそこは読み上げない?」
「マスコミの都合の悪い文面は読まなかった」

といった声が続々とあがることになった。

   J-CASTニュースは18日、新潟県警への取材で、遺族のコメントに確かにこの一文があったことを確認した。また、「家族一同」名義で出されており、冒頭には「報道機関の皆様へ」と宛先が記されている。

   遺体が発見された7日以降、マスメディアは事件現場周辺に押し寄せ、その様子を相次いで伝えた。

   とりわけ、14日夕方放送の「プライムニュース イブニング」(フジテレビ系)は物議を醸した。この時、逮捕状が請求されるという大きな動きがあったが、番組では「○○ちゃん(※実際の放送では女児の実名)の自宅前から最新の動きをお伝えします」として、遺族の自宅の映像を放送した。中継したレポーターも「○○ちゃんの自宅前です」とはっきり述べ、カメラは180度回して家の前の道路を一方から反対方向まで広く映した。報道陣が20人前後集まっているのが確認できた。

   こうした取材攻勢に、ツイッターでは

「被害者の自宅をテレビとかで流すのって、報道ハラスメントなんじゃないのかね?」

と疑問を投げかける声が複数あがっていた。

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