2018年6月12日の米朝会談を前にして、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長には大きな成果が約束されたようだ。
経済制裁解除と引き換えに核を放棄させる「リビア方式」に北朝鮮が激しく反発する中、米国のトランプ大統領は「全く念頭に置いていない」と発言。さらに、会談で成果が出れば北朝鮮は「保護を受けることになる」と述べた。非核化と引き換えに金正恩体制を保証する意向を示唆したとも言える。
「リビア方式」では「カダフィを残すという取引はなかった」
金桂冠(キム・ケグァン)第1外務次官が5月16日に出した声明では、「リビア方式」が取りざたされていることについて
「対話を通じて問題を解決しようとするのではなく、本質上、大国に国を丸ごと任せて崩壊したリビアやイラクの運命を尊厳あるわが国家に強要しようとしている」
などと反発。米朝首脳会談についても「再検討するしかないだろう」としていた。
この点についてトランプ氏は5月17日(米東部時間)に記者団に問われ、
「北朝鮮については、リビア方式は全く念頭に置いていない」
と断言した。
「リビアでは、我々は完全に国を破壊した。カダフィ(大佐)を残すという取引はなかった」
などとして、北朝鮮への対応は「言及されたリビア方式とは、全く違うものだ」とした。その上で、リビアとは「全く違う方式」が北朝鮮に適用された場合は、
「彼(金正恩氏)は国(北朝鮮)にとどまり、国を運営するだろう。彼の国は非常に豊かになるだろう。国民は非常に勤勉だ」
などと見通しを語った。