「麻生節」が、シンガポールで予定されている米朝首脳会談にまで及んだ。麻生太郎・財務相兼副総理は2018年5月16日に東京都内で開かれた自民党議員のパーティーで、北朝鮮の政府専用機を念頭に「途中で落っこちちゃったら話にならん」などと発言した。
専用機は旧ソ連製で老朽化が指摘されており、平壌からシンガポールまで余裕を持って飛行できるかを危ぶむ声が出ていた。ただ、発言から「米朝首脳会談開催について不快な内心を表した」と分析する韓国メディアもあり、思わぬ方向に波紋を広げている。
専用機は1980年代購入の旧ソ連製
麻生氏はあいさつの中で、米朝首脳会談について
「あの見てくれの悪い飛行機が無事シンガポールまで飛んで行ってくれることを期待するが、途中で落っこちちゃったら話にならん」
などと述べた。「あの見てくれの悪い飛行機」は、金正恩・朝鮮労働党委員長がシンガポール行きに利用するとみられる政府専用機を指しているようだ。専用機は旧ソ連製のイリューシン62M型機で、1980年代に購入されたと考えられている。韓国メディアからは、老朽化や航続距離の問題から、途中で給油したり、チャーター機を借りたりしなければならなくなる可能性も指摘されている。
麻生氏の発言は、韓国メディアも相次いで報じた。聨合ニュースは、麻生氏について「妄言製造機」の見出しをつけ、セクハラ問題をはじめとする最近の失言にも言及。今回の発言については
「金正恩委員長が搭乗する専用機の墜落に言及し、米朝首脳会談開催について不快な内心を表した」
と指摘した。その上で、共同通信の
「北朝鮮の核・ミサイル問題について『米朝会談が行われるところまできた』と進展を評価する中での発言だが、軽率との批判を招きそうだ」
という分析を伝えた。