「リビアやイラクの運命を、尊厳高い私たちの国に強要しようとしている」
金氏の声明では、こういったことを念頭に、米国で相次ぐ発言を
「対話を通じて問題を解決しようとするのではなく、本質において大国に国を丸ごと差し出して崩壊したリビアやイラクの運命を、尊厳高い私たちの国に強要しようとしている」
と非難。経済的補償と引き換えに核放棄に応じる考えも否定した。
「米国は、私たちが核を放棄すれば、経済的報酬と利益を与えると騒いでいるが、私たちはこれまで一度も米国に期待して経済建設をしたことはない。今後もこのような取引を絶対にしないだろう」
金氏の談話は、
「一方的な核放棄だけを強要しようとするならば、私たちは、このような会話に多くは興味を持たないだろう。今後の朝米首脳会談に応じるのかを再検討するしかないだろう」
という1文で結ばれている。「一方的な」という表現からは、米国側にも何らかの行動を求めているとみられる。談話では、「朝鮮半島の非核化」の前提は「米国の対(北)朝鮮敵視政策と核による脅威・恐喝を終えること」だと主張しており、軍事演習の中止を求めているともとれる。
ただ、イラクやリビアのくだりからは、核放棄と引き換えに体制の存続を勝ち取る狙いも透けて見える。