従来の「見守り」で子ども守れる? 専門家語る「もう一つの目」の必要性

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「家の敷地でベンチに腰掛けるだけでも」

   子どもの見守り活動にあたる際、大人はどのようなことを心がけるべきか。NPO法人「日本こどもの安全教育総合研究所」(東京都)の宮田美恵子理事長は、15日のJ-CASTニュースの取材に「これまでと異なる種類の『目』をもつ必要がある」と話す。

   宮田理事長によると、2001年の附属池田小事件などを契機に、防犯パトロールを募る団体の加盟者数は増えてきたが、04年を最後にこの約14年間、頭打ちとなっている。「高齢者を中心とする活動」のため、なかなか増えないそうだ。

   宮田理事長は、見守り活動の参加者は主に小学校区の全体を歩くことで、犯罪抑止の役割を果たしてきた、と明かした。ただ、珠生さんの事件について「今回も友人と別れた後のタイミングを狙われた。踏切まで集団下校している間、本来は見守り隊なしでも問題ない」と指摘。その上で、

   「ほんの数メートルであっても、ひとりにさせないようにすることが大事。多くの近隣住民は家の中におり、見守りの『目』が届いていない。家の敷地で『見守りベンチ』に腰掛けてもらうだけでもいい。もう1つの『目』になってあげて」と説明した。

   一方、子どもが気を付けるべきことは何か。宮田理事長はその質問に「まずは大人が対策を講じ、安全な環境を整えてから」と答える。

「子どもが犯罪に巻き込まれた時にできることなんて、限られている。大人がそこに過剰な期待をしてはダメ。今回の事件は、大人が改めて考える機会とすべき。防犯ブザーなど子どもの防犯を議論するのは、その後です」

   子どもの安全に関する民間シンクタンク「ステップ総合研究所」(東京都)の「犯罪からの子どもの危機の実態に関する研究」によれば、小学6年男女の約42.3%が「怖いことが起こった時」に「走って逃げた」と回答。一方、「何もできなかった」と答えた子も21.0%にのぼる。

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