下校中に突然、新潟市立小針小2年の大桃珠生(たまき)さん(7)が殺害され、JR越後線の線路内に遺棄された事件。犯人の「魔の手」から子どもたちを守るために、何ができるのか。
専門家らが唱えるのは「町ぐるみ」で見守ることの大切さだ。
下校時が「穴」か?
報道によると、珠生さんは2018年5月7日15時すぎに友人らと下校し、踏切の手前で友人と別れた後、ひとりで帰宅する途中、行方が分からなくなった。家族が17時ごろ、警察に通報。遺体の発見現場となった線路から自宅まで、数百メートルしか離れていなかった。
幼い子どもが登下校中に命を狙われた事件は、これまでに幾度となく先例がある。2017年3月の千葉小3女児殺害事件では、9歳の女児が登校するために自宅を出たまま行方不明に。そのまま翌々日、絞殺体となって発見された。
こうした「魔の手」から子どもたちの命を守るためにできるのは、登下校中の見守り活動だ。
事件のあった新潟市でも、保護者らが登下校時に通学路に立つ「子ども見守り隊」の活動を実施していた。市教育委員会の学校支援課によると、2017年度の「見守り隊」登録者数は2502人で、小針小の学校区では16人。事件を受けて、5月9日付で各校に見守り隊の参加者を再募集するよう要請した。
今後はさらに下校時の見守りを強化する必要があるという。同課の担当者は15日のJ-CASTニュースの取材に「見守り隊は、お仕事の都合もあり朝に来る人が多いが、子どもの下校時間は学年ごとに異なるので、さらに充実させる必要がある」と話した。
市教委は事件後、小針小にスクールカウンセラーを派遣しており、担当者によると5月14日までに計43人の児童・保護者が相談に訪れた。会社員・小林遼(はるか)容疑者(23)が14日逮捕されたものの「しばらくの間、カウンセラーを配置しないといけないと思う」と考えているという。