「野獣先輩ポーズ」JKに人気? 元ネタ知るネット民は戸惑い

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   「えぇ、、、(困惑)」「いつものこじつけかと思ったらなんだこれは...」――2018年5月、掲示板「5ちゃんねる(2ちゃんねる)」に貼り付けられた何枚かの画像に、ネット民たちから戸惑いの声が漏れた。

   被写体はいずれも、10~20代らしき女性だ。インスタグラムから転載されたもので、プリクラで撮影した写真とみられる。問題はそのポーズである。彼女たちは、ネット上で「野獣先輩」として知られる人物を真似していたのだ。

  • インスタグラムで「#野獣先輩」と検索した結果
    インスタグラムで「#野獣先輩」と検索した結果
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インスタグラムでも「リア充」「陽キャ」が

   「野獣先輩」とは2001年前後、何本かの男性同性愛者向けのアダルトビデオに出演した人物である。これらのビデオがネット上でネタにされる中で、出演者の一人だったこの男性が注目されるようになり、「野獣先輩」のニックネームで知られるようになった。ニコニコ動画ではその出演シーンを元にしたパロディー(MAD)動画が大量に投稿され、最近でもその名前を使った仮想通貨「YAJUCOIN」が流通するなど、ネット上では「有名人」だ。

   今回、5ちゃんねるで話題になった画像では、女性らがそろって、頭の後ろで両手を組むポーズを取っている。これは「野獣先輩」がビデオの中で見せた動作を再現したものだ。投稿にはしっかりと、「#野獣先輩」のハッシュタグが。偶然の一致ではなさそうだ。

   実際にインスタグラムで「#野獣先輩」を検索すると、1000件超の投稿が引っかかる。本編のキャプチャーやコラージュ画像に続いて目立つのが、上記のポーズを決めた写真だ。ほとんどは若い男女で、中には制服姿の男子高校生、女子高校生らしき姿も。プリクラのほか、旅行先などでの集合写真など、部活やサークルなどで撮影されたと思われる、和気あいあいとしたショットも多い。大部分は、ネット文化などとは縁遠そうな「リア充」「陽キャ」という印象だ。

「単純にかわいいポーズ」として認識?

   一連のビデオを元ネタにしたスラングは、作品名から「淫夢語録」と呼ばれ、ネット用語として浸透したほか、「微レ存」などが女子高校生の「流行語ランキング」に入るなど、若者を中心に一般層にも広がりを見せている。とはいえ、元ネタが元ネタであり、その影響度とは裏腹に、メディアでの言及は避けられる傾向が強い。

   そんな中、若者があっけらかんと「野獣先輩」のポーズを取る姿には、ネット民も戸惑いを隠さない。5ちゃんねるの上記スレッドでも、「元ネタ知ったらどうなるやろ」「一体野獣が何したって言うねん」など、困惑する声が圧倒的だ。

   ITジャーナリストの井上トシユキさんは、「おそらく女子高生の間では単純に『かわいいポーズ』と認識されているのでしょう。目新しいし、インスタ映えするよね、といった程度だと思います」と見る。一方で、ネット民の「元ネタを知ったら......」という危惧に、こう苦笑する。

「ボーイズラブ(BL)で耐性がありますから、元ネタを知っても、『でもかわいいじゃん』くらいで、大してダメージがないと思いますよ。私が取材していても、むしろ女性の方がえげつない話をポンポンして、こちらが『震え声』になるくらいですから......(笑)」
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