加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、柳瀬唯夫元首相秘書官の国会答弁に75%以上が「納得できない」とする結果が、この週末の世論調査で出た。ただ、ここにきて安倍内閣の支持率は微増しており、野党の支持率も引き続き伸び悩んでいる。
とりわけ、民進党と希望の党が合流して発足した国民民主党の支持率は1%前後で、政権をめぐるスキャンダルが長引く中でも、受け皿になれていない現状が浮き彫りになっている。
引き続き不支持率が支持率を大きく上回る
この週末(2018年5月12~13日)に世論調査を行ったのは共同通信とJNN(TBS系)。安倍晋三首相の関与を否定した柳瀬氏の答弁については、共同調査で75.5%、JNN調査で80%が「納得できない」と回答。麻生太郎財務相が「辞任すべき」との声は、共同調査で41.9%、JNN調査で49%にのぼっている。
安倍政権への逆風は引き続き強いが、支持率はどうか。共同調査では4月14、15日の前回調査から1.9ポイント高い38.9%で、不支持率は2.3ポイント低い50.3%。JNN調査でも支持率は前回4月7、8日調査から0.6ポイント高い40.6%で、不支持率は0.7ポイント低い57.7%だった。両調査とも不支持率が支持率を大きく上回る状況が続いているが、「下げ止まっている」との見方も出てきそうだ。ただ、JNN調査では、加計学園の問題で74%が「疑惑は深まった」とも。新たな材料が出てくれば、さらに支持率が下がる可能性もある。
英文サイトでは「スキャンダルでも支持率上昇」
共同通信は、支持率が上がったことに着目しているようだ。同社は世論調査の結果を、日本語のウェブサイトでは「柳瀬氏説明納得できず75% 働き方、今国会不要68%」の見出しで報じたが、英文サイトの見出しは「えこひいきスキャンダルでも安倍内閣支持率が38.9%に上昇」。記事本文も、支持率が上昇したことが最初に登場し、その次に加計学園の問題が長引いていることや、柳瀬氏の答弁のことなどに触れた。
政党支持率にも大きな変化はみられない。共同調査では、自民党が前回比0.3ポイント増の37.1%、立憲民主党も1.4ポイント増の13.3%だった。発足したばかりの国民民主党は1.1%だった。JNN調査では、自民党が前回比1.3ポイント減の30.4%、立憲民主党も0.5ポイント減の8.3%だった。国民民主党は0.8%だった。