「オートリバース」がラジカセから消えた メーカー明かす「年々厳しくなる」事情

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   ラジカセから「オートリバース」機能が消えつつある。部品の生産中止や製造コストの問題から、搭載を見送るメーカーが増えているのだ。

   老舗音響メーカー・ティアック(東京都多摩市)の広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、「部品の供給状況は年々厳しくなっていて、もはやデッキを製造すること自体が難しくなってきているのが現状です」と苦境を語る。

  • もう「オートリバース」は無くなってしまうのか(写真はWikimediaCommonsより、peeeさん撮影)
    もう「オートリバース」は無くなってしまうのか(写真はWikimediaCommonsより、peeeさん撮影)
  • もう「オートリバース」は無くなってしまうのか(写真はWikimediaCommonsより、peeeさん撮影)

「唯一」の製造会社がすでに生産中止

   国内でもじわじわとブームが再燃しているカセットテープ。大手CDチェーン「HMV」が取り扱いを始めたり、TUBEや吉井和哉さんら人気アーティストがカセット版の新譜をリリースしたりするなど、大きな動きも目立つ。

   こうした流行の影響もあってか、カセット再生デッキの新製品は今でも定期的に市場に投入されている。

   大手メーカーでは、パナソニックが2017年3月に、ソニーが2017年6月にラジカセの新製品を発売。さらに18年3月には、東芝エルイートレーディングがUSBやSDカード再生にも対応した多機能ラジカセを、ティアックが高級カセットデッキをそれぞれ売り出した。

   だが、これらの4機種には、どれもオートリバース機能がない。カセットのA面とB面を自動で切り替える、一昔前の機種であれば当然のように備わっていたあの機能が存在しないのだ。

   なぜ、オートリバース機能をカットしたのか。東芝エルイートレーディングの広報担当者は2018年5月9日、J-CASTニュースの取材に、「もちろんオートリバース機能を採用したいと考えておりました」。にもかかわらず、搭載を断念した理由については、

「オートリバースが可能なカセットメカを供給できる唯一の製造会社も、現在はすでに生産中止しており、オートリバースメカの入手が不可能であるというのが現状です。自社で開発するという方法も考えられますが、特殊なノウハウと設備投資が必要であり、コスト的に現実的ではありません」

と説明した。

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