「必ず新郎新婦、3人以上の子どもを産み育てていただきたい」――。自民党の加藤寛治・衆院議員(72)=長崎2区・当選3回=が結婚披露宴で新郎新婦にそう呼びかけていたことが物議を醸している中、タレントのデヴィ夫人(78)が「普通のことですよ」などと持論を述べた。
2018年5月11日放送の「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ系)では、デヴィ夫人を「加藤議員の発言を擁護する人物」として紹介。安藤優子キャスター(59)は「いやいやいやいや...」とデヴィ夫人の意見を否定した。
「この加藤議員の発言を擁護する人物が」
加藤議員は5月10日、自民・細田派の会合であいさつ。結婚披露宴に招かれると必ず「新郎新婦にお願いをする」と打ち明け、「3人以上の子どもを産み育てていただきたい」と呼びかけていることを明かした。
さらに「世の中には、いくら努力しても子どもに恵まれない方々もいます。無理を言うのは酷でありますから、そういう方々のために3人以上が必要なんですよ」と説明。その上で、
「これが言うなれば、世のため人のためになりますから、是非とも3人以上産み育てていただくように、これを20数年申し上げています」
と話した。
また、結婚する意思がない若い女性にも「結婚しなければ子どもが生まれない。人さまの子どもの税金で(運営される)老人ホームに行くことになる」と話しているとした。
11日放送の「直撃LIVEグッディ!」では、VTRで一連の発言を紹介し、ナレーションで「多くの女性たちが不快感をあらわした」と説明。街中の女性に取材した映像を流した。「産まなくてはいけないというのはおかしいと思う」「あんまりそういう発言してほしくない」など、加藤議員の発言に否定的な意見が多くを占めた。
加藤議員は11日午後、国会の記者団に「誤解を与えたことに対しまして、お詫びをいたします。決して女性蔑視という思いは毛頭、つゆほども、持っておりません。けれども誤解を与えたわけですから、発言については撤回いたします」とお詫びした。
番組では、ナレーションで「時折笑みを浮かべながら、誤解という言葉を何度も使った加藤議員。さらなる波紋を呼びそうだが、この加藤議員の発言を擁護する人物が」と説明。その上で「それは...デヴィ夫人」と続けた。
デヴィ夫人「心が小さくなりすぎている」
デヴィ夫人は5月11日、東京都内で自身プロデュースの食器「ジェンガラ・デヴィコレクション」の発売記念発表会に登場。デイリースポーツ(ウェブ版)11日付の記事によると、記者団から最近の芸能界について聞かれ、加藤議員の話題に触れたという。
「グッディ!」では、デヴィ夫人が「普通のことですよ。撤回しなくていいし、謝罪しなくていい。日本の行く末を考えてのこと...日本の人たちは心が小さくなりすぎている」と持論を述べたと紹介。安藤さんはこれに対し、
「いやいやいやいや、心が小さくなっているんじゃないと思う」
と否定した。
加藤議員には、「最低でも3人って、あなたに押し付けられる話じゃないでしょ」と反発。「子どもを産まなくたって、働いて税金を払ったら自分の税金で(老人)ホームに行くわけですから、この人の理論は破綻している」と、「老人ホーム」発言にも反論した。
安藤さんは再度「心が小さいっていうことはないと思いますよ」と否定したうえで、大リーグ・エンジェルスの大谷翔平選手のニュースに切り替わると「もうね、気持ちの良いニュースが入って来ましたよ!」と喜びの声を上げた。
デヴィ夫人の発言をめぐっては、ツイッターなどインターネット上でも
「デヴィ夫人はお金があるからなんでもどうにかなるからいいでしょうね」
「ロクな手当て無しやら、幼稚園不足やらこんな状態で言うのは無責任」
「デヴィ夫人の言う通りだと思います。子どもは多い方がいい」
など、賛否両論を呼んでいる。