立憲民主党の西村智奈美・衆院議員(51)は、野党6党が国会審議を拒否していた間も厚生労働委員会が開かれていたことに「強く抗議する」とし、「補充質疑の時間をしっかりとっていただきたい」と要求した。
6党はゴールデンウィークを挟んで国会欠席を続けていたが、2018年5月8日に19日ぶりに復帰した。西村氏の要求は翌9日の衆院厚労委員会でなされた。インターネット上では、「君らが審議時間をドブに捨てたからだろ?」といった指摘が相次いでいる。
「補充質疑もしっかりとやっていただきたい」
厚労委員会での西村氏の要求は、質疑の冒頭にあった。「今日から質疑をさせていただきますが、この間の委員会開催経過について、私たちは強く抗議したいと思っております」と切り出すと、
「政府・与党が大変不誠実に、私たちの問題点解明に向けて何ら努力をすることなく、委員会の開会を強行し、質疑時間を10時間50分も空回しして、その上、一般質疑までも1時間56分空回しした。あり得ないことです」
途中でヤジが飛び、西村氏は声量を大きくしていた。
日本維新の会を除く野党6党は4月中旬、辞職した財務省前事務次官のセクハラ問題をめぐって麻生太郎財務相の辞任を要求したほか、学校法人・加計学園の獣医学部新設では、学園関係者との面会をめぐり柳瀬唯夫・元首相秘書官の国会招致を求めた。政府・与党が応じるまで審議できないとして5月7日まで国会を欠席していたが、柳瀬氏の参考人招致が決まったことで8日に復帰した。
西村氏は厚労委で、「ぜひ今後はこのようなことが決してないように」と苦言を述べたうえで、
「私たちの大切な質問時間が削られてしまいましたので、生活困窮者自立支援法と生活保護法に関する補充質疑もしっかりとやっていただきたい」
と、質疑時間の確保を高鳥修一・厚労委員長(自民党)に要求した。
高鳥氏は「4月18日以降、委員会の運営が円満にならなかったことにつきましては誠に遺憾に存じます。当委員会は国民生活に直結した重要な課題が数多くございますので、充実した審議が行われるよう、委員長としても引き続き努力をしてまいります」と述べていた。