パンパース「誤解招く表現」で謝罪 妊娠中の避妊めぐり...「配慮足りなかった」

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   P&Gのおむつブランド「パンパース」公式サイトに、妊娠中の性行為について「避妊について考える必要がない」と記載されていたことが、インターネット上を中心に物議を醸している。

   「妊娠中は避妊具をつける必要がない」などの誤解を招く恐れがあるためだ。P&Gの広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、「確認および配慮が足らなかった」と謝罪。2018年5月9日に問題のページを非公開とした。

  • 妊娠中は「避妊について考える必要がない」…パンパース公式の「表現」が物議(写真はイメージ)
    妊娠中は「避妊について考える必要がない」…パンパース公式の「表現」が物議(写真はイメージ)
  • 妊娠中は「避妊について考える必要がない」…パンパース公式の「表現」が物議(写真はイメージ)

妊娠中のセックスは「安全」?

   「パンパース」公式サイト上には、妊娠や出産にまつわる疑問に回答するQ&Aコーナーがある。問題の記述は、同コーナー内の「セックスしても大丈夫なの?」と題したページに掲載されていたものだ。

   ページの冒頭では、妊娠中の性行為を不安に感じるカップルに向けて、「安心してください。妊娠経過が正常で合併症もなければ、セックスは安全です」との呼びかけが。その上で、「妊娠中のセックスの楽しみとは?」という質問に対して、

「妊娠中のセックスのすばらしい点の1つは、避妊について考える必要がないということです!」

と回答。「まじめな話、多くの女性がこのことに解放感を感じ、妊娠前よりセックスを楽しんでいます」とも記していた。

   こうした記述は、あるツイッターユーザーが5月8日に紹介したことでネット上の注目を集めることに。投稿のリプライ(返信)欄などには、上記の文章が「妊娠中の性行為は避妊具が不要」といった誤解を招きかねないとして、

「何言ってんのパンパース...てかこれ信じる人出るじゃんやめてよ...」
「妊娠の心配は不要かもしれんが性感染症の心配はするべきだろ」
「これ読んで避妊しなくていいんだーって思った人がいて、それで感染症でもおこしたらどうするんだろう」

との指摘が相次いで寄せられていた。

専門医「非常に無責任なコメント」と苦言

   沖縄県立中部病院産婦人科の間瀬徳光医師はJ-CASTニュースの取材に、問題視されたパンパース公式の記述は「夫婦の関係は大事であるが、非常に無責任なコメントであると思います」としたうえで、

「性感染症や精液に含まれる成分が引き起こす子宮収縮による流産や早産を防ぐためにも、避妊具はつけるべきでしょう」

と指摘する。

   間瀬氏は、「性交渉による早産リスクは現時点では医学的に証明されていない」としつつも、「決して関係がない、だから安全だとは言い切れません」と指摘。その上で、

「性交渉の直後に流産や超低出生体重児の出産が起きてしまったケースは、いくつも見てきました。妊娠中の性行為がそうしたリスクを伴うものだというのは、産婦人科の現場では『一般常識』のようになっています」

とも話す。続けて、妊娠中に性行為をしても問題ない場合がほとんどだが、その一回の行為で人生が大きく変わってしまうこともあるとして、

「妊娠中の性行為は、そういったリスクがあることを夫婦の間でも理解して欲しい」

とも訴えていた。

P&G「誤解を招く表現があった」

   P&Gの広報担当者は10日、J-CASTニュースの取材に対し、問題のページの掲載を始めた時期について、「詳細は確認できていませんが、つい最近のものではありません」と説明した。

   ただ、問題の記述は医師の監修を受けて掲載したものだという。確かに、記事中には「回答者」として2人の外国人医師のほか、翻訳・監修を担当した日本人医師の名前も掲載されていた。

   だが、広報担当者は「記事中に誤解を招く表現があった。医療の常識が日々変わっていく中で、見直しの作業が欠けていたのかもしれない」と話し、

「当該記事の掲載にあたって、誤解を招く表現やご不快な思いを与える表現が含まれていないかについて、確認および配慮が足らなかったと思っています」

と謝罪した。

   担当者によれば、消費者からの問い合わせを受けて、該当のページは9日に公開を停止。記載内容の修正を行った上で掲載を再開する予定としたが、その時期については「現時点では未定」という。

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