まさかの「来訪者」に対する国土交通省事務所のツイッター投稿が、多くのユーザーを和ませた。
投稿されたのは、防災カメラ上で「巣作り」を始めてしまった「ハチ」の動画。これに対する同事務所のコメントに、「ほのぼのしちゃった」などといった声が相次いでいる。担当者もJ-CASTニュースの取材に「思いのほか反響があって驚いています」と話す。
「言葉の気遣いがほっこりする」
国土交通省・中部地方整備局・富士砂防事務所は2018年5月7日、1本の動画をツイッターに投稿。静岡県富士市にある須津(すど)川の堰堤(えんてい)をチェックする防災カメラの映像だが、何やら生き物がレンズの目の前にいる。ハチだ。
「防災カメラは、荒天時でもしっかり監視できるようワイパーが付いています。そのワイパーにアシナガバチ(?)が巣作りを始めています」
ワイパーがレンズを拭いても、しがみついて離れない。右へ左へ一緒に動き、カメラに映りっぱなしだ。途中でいったん離れるものの、小さな巣はそのままだ。そんなハチに頭を抱えた事務所はツイートでこんな宣言をした。
「蜂の巣作りの様子を監視していると仕事になりませんので、退去頂くよう手配します」
これが大きな反響を呼んだ。巣を見て「仕事になりません」と言ったり、ハチに「退去」をお願いしたりと、どこか役所らしからぬ人間味に「ギャップ」を感じたのか、多くのツイッターユーザーを
「言葉の気遣いがほっこりする」
「ほのぼのしちゃった...」
「巣作りの様子を監視したい気持ちが漏れ出していて好感をもてる」
「コメントが何故か面白い。国交省のコメントだからかな」
と和ませた。「なんだか素敵なハプニング!」と、「来訪者」そのものに愛嬌を感じたユーザーもおり、4000件超の「いいね」がつく結果となった。
実はまだ「退去」してもらえておらず...
J-CASTニュースが10日に富士砂防事務所を取材したところ、調査課の担当者は、
「こちらは防災関係の事務所ですので、大雨による土砂災害の注意喚起など災害情報を発信しています。できるだけ多くの方の目に留まるような言い回しは心がけていますが、思いのほか反響があって驚いています」
と、はにかんだ。
ハチを発見したのは5月頭ごろ。取材した10日の時点で、ハチは「今も写っています。巣は少しずつ大きくなっていますね」。巣は大きくなる前にどうにか取り除く対応をする考えだ。こういった形で防災カメラの稼働に支障が出るのは「あまりない」そう。なお、本当にアシナガバチかどうかは特定できていない。
ツイッターで発信するのは上記のとおり、主に災害情報。大雨の時に増水した河川の映像をアップして注意喚起したり、地すべり対策工事の模様の写真をアップしたりしている。
その中で時折、工事現場近くの花壇に咲く花など、自然の一風景を切り取った写真も。3月30日には、主に火山監視のため設置している富士山のライブカメラを紹介し、「ときに『ダイヤモンド富士』、『パール富士』、『赤富士』などを写していることがあります」と、それぞれの瞬間が映った3枚をアップしていた。
前出の担当者は「私どもの仕事は普段ご紹介する機会がありませんので、ツイッターを通じてご覧になっていただければ幸いに思います」と話していた。