2018年5月10日、人気男性声優の梅原裕一郎さん(27)が急性散在性脳脊髄炎で入院したことが、所属事務所の公式ウェブサイト上で明かされた。
復帰時期は明かされておらず、聞きなれない病名に声優ファンらから心配の声が上がっている。いったいどんな病気なのか。
「どんな病気か謎だからこそすごい心配だ...」
梅原さんの所属するアーツビジョンは10日、急性散在性脳脊髄炎のため、現在入院、療養していることを発表した。仕事の復帰時期に関しては、「改めてご報告させて頂ければ」としている。
梅原さんは13年に声優デビュー。16年にはその年活躍した声優の業績を称える「第10回声優アワード」で新人男優賞を受賞した。18年も「学園ベビーシッターズ」「多田くんは恋をしない」など、複数のテレビアニメでメインキャラクターの声を当てている。個人ツイッターのフォロワーは27万人と、女性を中心に人気の声優だ。
入院と休業の知らせを複数メディアが報じると、ツイッターにはファンらから続々と心配の声が上がった。
「梅ちゃん、大丈夫なんかな...凄い心配」
「どんな病気か分からないけどとりあえず心配」
「え、梅ちゃん...どんな病気か謎だからこそすごい心配だ...」
「ダメだ心配すぎて頭が痛くなりそう 梅ちゃん...」
まれに神経系の後遺症が残る場合も
梅原さんが患った「急性散在性脳脊髄炎」(ADEM)とは、どんな病気なのか。16年3月に厚生労働省が更新した「日本脳炎ワクチン接種に関するQ&A」によると、発症が珍しい脳神経系の病気であることがわかった。
「ワクチン接種後に、まれに発症することがあるといわれる脳神経系の病気です。ワクチン接種後の場合は、接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害などの症状が現れます。ステロイド剤などの治療によって多くの患者さんは後遺症を残すことなく回復しますが、運動障害や脳波異常などの神経系の後遺症が残る場合があるといわれています」
しかし、「ワクチン接種後以外にも、麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)、ムンプス(おたふくかぜ)、インフルエンザなどのウイルスや、マイコプラズマなどの病原体感染の後に起こることもある」と記載されている。また、きっかけと思われる感染症やワクチンがなく発症した例もあるという。
また、当時大阪府立急性期・総合医療センター神経内科に務めていた杉村容子氏らが日本神経学会に提出した症例報告(16年)には、以下のように記載されていた。
「ADEMは免疫感作がされやすい小児に多い疾患であり、再発をみとめる割合は10%程度と報告されているが、成人における発症例は極めて稀である」
ADEMは後遺症が残る可能性はゼロではないが、治療によって完治する場合がほとんどのようだ。
梅原さんは4月28日には、東京・大手町で開催された朗読劇「私の頭の中の消しゴム 10th letter」の昼・夜2公演に出演し、ファンの前に姿を見せていた。イベントスタッフによる公式レポートには、「見事に2回演じきってくださいました」とある。