まれに神経系の後遺症が残る場合も
梅原さんが患った「急性散在性脳脊髄炎」(ADEM)とは、どんな病気なのか。16年3月に厚生労働省が更新した「日本脳炎ワクチン接種に関するQ&A」によると、発症が珍しい脳神経系の病気であることがわかった。
「ワクチン接種後に、まれに発症することがあるといわれる脳神経系の病気です。ワクチン接種後の場合は、接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害などの症状が現れます。ステロイド剤などの治療によって多くの患者さんは後遺症を残すことなく回復しますが、運動障害や脳波異常などの神経系の後遺症が残る場合があるといわれています」
しかし、「ワクチン接種後以外にも、麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)、ムンプス(おたふくかぜ)、インフルエンザなどのウイルスや、マイコプラズマなどの病原体感染の後に起こることもある」と記載されている。また、きっかけと思われる感染症やワクチンがなく発症した例もあるという。
また、当時大阪府立急性期・総合医療センター神経内科に務めていた杉村容子氏らが日本神経学会に提出した症例報告(16年)には、以下のように記載されていた。
「ADEMは免疫感作がされやすい小児に多い疾患であり、再発をみとめる割合は10%程度と報告されているが、成人における発症例は極めて稀である」
ADEMは後遺症が残る可能性はゼロではないが、治療によって完治する場合がほとんどのようだ。
梅原さんは4月28日には、東京・大手町で開催された朗読劇「私の頭の中の消しゴム 10th letter」の昼・夜2公演に出演し、ファンの前に姿を見せていた。イベントスタッフによる公式レポートには、「見事に2回演じきってくださいました」とある。