世の中には2種類の人間がいる。カルピスを飲んだ時、口の中や舌に「白いかたまり」が残る人と、残らない人。これを読むアナタは、そのどちらだろう。
なぜ、そんな「個人差」が? J-CASTニュース編集部では、アサヒ飲料に話を聞いた。
「みんな残るものだと...」
この話題は2018年5月上旬、ある一般のツイッターユーザーのつぶやきで一気に拡散した。約8万件の「リツイート」と約16万件の「いいね」が、ネットの驚きぶりを物語っている。
製造販売元のアサヒ飲料の公式サイトでは、既に「Q&A」のコーナーで「『カルピス』を飲んだ後、口の中や舌の上に残る白いかたまりは何ですか?」と紹介。「白いものは、『カルピス』の中に含まれるカゼインというたんぱく質と、唾液に含まれる成分が反応してできたものです」と回答していた。
7日のJ-CASTニュースの取材に応じたアサヒ飲料の広報担当者によれば、乳タンパク質の「カゼイン」と、唾液に含まれる糖タンパク質の「ムチン」が結合することで、この白いかたまりは生まれる。体に悪い影響を与えるものでなく、胃酸で消化されるので、心配する必要はないという。
一方、「唾液の成分は個人差があるため、かたまりのできる人とできない人がいます」とも。個人差とは一体、どういう意味か。改めて確認してもらうと、8日に以下のような回答があった。
「かたまりができるかどうかには、唾液の量やムチンの量、口に含む量や時間など、さまざまなものが影響します」
個々の体内機能によって、この「白いかたまり」を感じるか、感じないかは人それぞれなのだ。先のツイートに対しても、
「初知りです、みんな残るものだと、思ってました」
「なにも残らないんですが......(困惑)」
「子供の頃は何か残ってたけど、今はそんなこと全くなくなった」
など、さまざまな声が寄せられている。
実は昔より「できにくくなっています」
アサヒ飲料がカルピスを発売したのは、1919年。さかのぼること約100年前のことだ。今なお、年間売り上げ5000万本の国民的人気商品である。
これまで何度も改良を重ねており、カルピスの品質は変化してきた。それは「白いかたまり」にもあてはまると、広報担当者は言う。
「カゼインとムチンの結合を防ぐ、大豆から作られている『大豆多糖類』を加えることで、白いかたまりは以前と比べ、できにくくなっています。ただ、その味わい自体は守り続けています」
カゼインは他の乳酸菌飲料にも含まれているのだから、たとえば牛乳を飲んだ時にもこの「白いかたまり」が口に残ってもよさそうだが、広報担当者に聞くと、「酸性の状況下で、ムチンとカゼインは結合しやすくなる」とのこと。中性の牛乳で起きない反応が、カルピスでは起きるのだ。
ちなみにこの「白いかたまり」、一部ネット上では「カルタン」と呼ばれて久しい。2ちゃんねるの「FLASH・動画板」のスレッド「カルピスを飲んだときに喉に出現する白いモノ」で誕生したもので、これを擬人化した同名キャラクターも知られている。