人気キャスターの小倉智昭さん(70)が、ブリとカンパチを「白身の魚」だと発言したことに、インターネット上でツッコミが相次いでいる。
どちらも実は「赤身」の魚で、小倉さんの認識は間違っているというのだ。実際、J-CASTニュースが一般社団法人「日本さかな検定協会」に確認したところ、「ブリ、カンパチは『赤身』です」との回答があった。
小倉智明「ブリとかカンパチとかね、白身の魚は...」
2018年5月9日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)では、東京・築地市場に77キロの巨大カンパチが入荷したニュースを紹介。番組によれば、一般的なカンパチの重さは2~3キロ。市場関係者の間でも驚きが広がっているという。
こうした話題の中で、スタジオの山﨑夕貴アナウンサーは「小倉さん、カンパチはお好きですか?」と質問。これに番組司会の小倉さんは、
「ブリとかカンパチとかね、白身の魚は...あんまり食べない」
とキッパリ。
ちょっと予想外の答えだったのか、山崎アナは目を丸くして「そうですか、まさかの展開」と一言。スタジオ出演者の間で大きな笑いが起きたが、コメンテーターとして出演していたコラムニストの深澤真紀さんは、
「あと、ブリは赤身です」
と小声でツッコミを入れていた。
深澤さんのように、ブリとカンパチを「白身」とした小倉さんの発言に、違和感を抱いた視聴者は多かったようだ。ツイッターやネット掲示板には、番組の放送中から、
「カンパチは白身魚じゃないだろ」
「ブリは赤身だよ」
「ブリ、カンパチを白身とはw」
などのツッコミが相次いで寄せられた。
赤身と白身の違いはどこに?
魚や魚食文化などの知識を試す「日本さかな検定」を主催する日本さかな検定協会(東京都千代田区)は、5月9日のJ-CASTニュースの取材に対し、ブリとカンパチは「赤身です」と明言する。
「『白身』と思われがちのブリ、カンパチですが、ともに回遊魚であるアジ科に属し、『赤身』の証明としては真っ赤な血合いを持つことがあげられます」
その上で協会側は、赤い色素をもつたんぱく質の「ミオグロビン」と「ヘモグロビン」の含有量の差で赤身と白身が区別されると説明。その上で、
「『色素たんぱく質』の量が筋肉100グラム中10ミリグラムを超えると身が赤く見え、『赤身』とされるようです」
とした。これらのたんぱく質は酸素の運搬に関わるため、筋肉を活発に使い大量の酸素が必要な回遊魚は一般に赤身にあたるという。
また、朝日新聞の2005年12月4日付け朝刊でも、「ブリや、仲間のカンパチ、ヒラマサは、身の色から白身魚として扱われることもあるが、実は赤身魚だという」と説明。そのほか、シマアジやサワラなども「白身にみえるがじつは赤身」だと紹介していた。