50年以上にわたり親しまれている「だるまちゃん」シリーズなどで知られる絵本作家で児童文化研究家の加古里子(かこ・さとし、本名・中島哲)さんが2018年5月2日、亡くなった。92歳だった。加古さんの公式サイトが7日、公表した。各メディアによると、慢性腎不全だった。
訃報のニュースが流れると、ツイッターには、加古さんの作品について「大好きでした」「たくさん読んだなぁ」といった感想や、追悼のコメントが相次いで寄せられた。
子供に紙芝居を見せる活動
福井県の現・越前市生まれ。東京大学工学部を卒業後、昭和電工に勤めながら川崎市などでセツルメント活動(社会運動)に携わり、地域の子供たちに自作の紙芝居を見せていた。30歳を超え、1959年に『だむのおじさんたち』で絵本作家デビュー。昭和電工の中央研究所で部長職だった1973年に退職し、創作や児童文化の研究に専念した。
代表作のひとつ「だるまちゃん」シリーズは、第1作『だるまちゃんとてんぐちゃん』(1967年)がミリオンセラーになって以降、50年以上にわたり親しまれ、2018年1月にも『だるまちゃんとかまどんちゃん』など新作3冊が同時発売されたばかりだった。絵本以外の関連書籍も含め、シリーズ本は十数冊に及ぶ。
他に『からすのパンやさん』(1973年)や、科学をテーマにした科学絵本などでも知られ、公式サイトによると、作品は「600点余」にのぼる。