「『誤解』じゃないですから」
しかし上記のように、第三者委と内閣府の両組織からパワハラが認定されている。番組では、この問題に発言を続けているスポーツジャーナリストの小林信也氏が「『誤解』じゃないですから」と一喝。それらの発言から、鈴木長官に謝罪していたことについても、
「あれだけ殊勝に謝る姿というのは、福田さんの人生の中であまりなかったと思いますが、あれは伊調選手ではなく、協会の公益法人格がなくされたら困るとか、東京五輪に選手を出せなくなるようなことになったら困るという、その一心でしょう」
と批判的だった。さらに福田会長に対し、
「やはりアウト。退場です。若い人たちが中心になって根本的なところからやる方が、未来がある」
と要求した。
スタジオではタレントのフィフィさんも「今までのことを『誤解』と言っちゃったんですね」と嘆息。「こういう方は会社にもいて、今はコンプライアンスもあってセクハラやパワハラに敏感な時代。でも、ここで訴えている側と訴えられている側を見ると、ちょうど世代間ギャップがあって、パワハラやセクハラが何なのか分かっていない」と指摘した。
発端となった内閣府へのパワハラ告発状に名を連ねたレスリングコーチも、同番組の取材に対して協会への不信感をあらわにした。告発状の「B氏」である安達巧氏は、「まだパワハラ問題を理解していないのかというのが率直な気持ちです」と呆れた。
さらに同「A氏」でパワハラ被害者と認定された田南部氏は、「話をしたい」という福田会長に対し、
「僕らは一度も呼ばれていないので、本当に会いたいのかと思います。話をしても丸め込まれるのが目に見えています。僕らは特に会長が仰っていたような『誤解』しているところはないです」
と真っ向から反論した。
福田会長が「そのこと(パワハラ)を伊調さんから私が聞いていなかった」と弁明したことにも、田南部氏は
「その都度パワハラがあった時には、会長や協会幹部にもよく相談していました。だから幹部はみんな知っていらっしゃるはず。どうして隠すのか」
と苦い思いを吐露。「伊調選手へのパワハラは、栄さんだけにスポットライトが当たっていますが、女子強化委員会全体でやってきたことは間違いないので、そこも改善していただければ」と、福田会長に限らず協会全体に体質改善を促した。