女性の社会進出が進む中、「中食」と呼ばれる弁当や総菜などの普及に加え、冷凍食品の需要が増加している。
コンビニエンスストアなどでは冷凍食品の売り場を拡張する動きが目立つほか、フランス発の冷凍食品専門スーパーが東京都心に進出するなど、冷凍食品を巡る熱い戦いが始まっている。
セブン-イレブンは売り場面積を倍増
日本冷凍食品協会によると、2017年の家庭用冷凍食品の国内生産額は前年より4.7%増えて約3019億円となった。10年前の2007年(約2415億円)と比べれば約25%と大幅に伸びている。
都市部だけでなく、地方でも共働きや単身世帯が増えており、多くの家庭では食材の買い出しや料理にたくさんの時間を使うことが難しい状況になっている。このため、調理済みの料理を家に持ち帰って食べる「中食」の利用拡大が近年目立っているが、冷凍食品は通常の総菜や弁当に比べ、比較的長い時間、冷凍庫の中で保存できるというメリットがある。同協会が2017年春に全国の約1万人の男女を対象に実施した実態調査でも、冷凍食品を購入する魅力について「調理の手間が省ける」「買い置きができる」が上位だった。いつでも冷凍庫から取り出し、温めるだけで簡単におなかを満たせることが需要増につながっているようだ。
こうした環境の中、コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンは、店舗のレイアウトを大幅刷新するのに伴い、冷凍食品の売り場面積を2倍超に拡大する方針を打ち出した。冷凍食品の強化で客単価のアップなどを期待しており、2021年度までに全国にある約1万店舗で実施する計画だ。ファミリーマートやローソンも品数を増やすなど、冷凍食品の扱いを強化している。