「卑怯な者は負ける!」――。「ダウンタウン」の松本人志さんが2018年5月4日夜、ツイッターに投稿したこの言葉に、多くのユーザーは「卓球」を連想した。
世界選手権団体戦で対戦するはずだった韓国と北朝鮮は、急きょ「南北合同チーム」を結成。自動的に次戦に進出し、日本チームと対戦するという異例の事態となった。
ITTF「最もドラマティックな試合のひとつとなった」
スウェーデン・ハルムスタードで開催されている卓球の世界選手権団体戦で、主催の国際卓球連盟(ITTF)は3日、準々決勝で戦う予定だった韓国と北朝鮮が、試合をせずに「南北合同チーム」を結成すると公式サイトで発表。3位決定戦はないため、合同チームの銅メダル以上が確定した。
ITTFは「関係者の支持を得て、南北合同チームが準決勝に進出すると決定した」と伝え、「すでに競技を始めていたチーム同士が合併したのは前例がない。ルールブックで定められてはいないものの、全体の承認を得た決定だ」としていた。
この南北合同チームが4日の準決勝で日本の相手となった。日本は伊藤美誠(スターツ)、主将の石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)の3連勝で、5日の決勝へ駒を進めた。石川は涙を流し、「予想してなかったチーム編成で戦うことになって、どうしてもプレッシャーは感じていた」とコメントしている。
試合後のITTF公式サイトでは、「日本は歴史的な決闘に勝利した」「この大会を通じて最もドラマティックな試合のひとつとなった」との受け止めを伝えている。
日本時間4日20時ごろから試合結果が報道されると、同日21時半すぎ、松本人志さんがツイッターで
「卑怯な者は負ける!よくやったニッポン!」
と突然投稿した。
明示はされていないが、タイミングや内容から、「『世界卓球』の事だよね!?」「いきなり合同チームって、ずるいと思うし、フェアじゃないから、勝ってくれて良かった!」「大会中に合併なんてあり得ないわ」など、800件以上あるリプライの大半が、南北合同チーム戦を念頭に返信しているとみられる。一部には「選手は卑怯者ではありません。認めた協会が悪いだけ」との声もある。