カゴメ「感謝の思いを具現化したものです」
5月1日、カゴメの広報担当者に話を聞くと、こうしたお礼は10年以上も前からあることがわかった。ではなぜ行っているのか。その理由は以下のように話している。
「弊社の企業理念の一つに、『感謝』(編注・自然の恵みと多くの人々との出会いへの感謝)というものがあります。エントリーしてくださった方への贈りものは、この感謝の思いを具現化したものです。エントリーシートというのは非常に大変なステップだと考えています。企業について調べ、自分の思いを書く、学生のみなさんはこれを何社もやっています。あまたある企業の中から弊社を選んでくださり、この大変な作業を行ってくれた応募者の方に感謝の思いを伝えるため、弊社の商品を贈っています。また、就職活動期間というのは一時的なもので、それ以降もお客様(編注:応募者)とカゴメとの縁は続いていくものだと考えております」
「感謝」はカゴメ創業者の故・蟹江一太郎が大切にした言葉で、3つの企業理念の中では筆頭に挙げられている。公式サイトにもその揮毫による「感謝」の2文字が、画像で掲載されるなど、カゴメにとっては重要なキーワードだ。
同社は選考結果に関係なく、新卒採用でESを提出した応募者全員に同じものを贈っている。書類選考の次のステップとして企業説明会があり、書類選考を通過した人にはそこで手渡しているが、書類選考で不採用となった人とは直接会う機会がないため、郵送している。その際には特別仕様のダンボールを使用し、上記で紹介した商品とメッセージを同封しているという。ダンボールには、「ささやかでは御座いますが、ご家族、ご友人、大切な方と一緒にお楽しみください」とのメッセージが書かれている。
今回、同社のこうした行いがツイッター上で称賛されていることに関しては、
「弊社を志望してくれた皆様に、少しでも感謝の気持ちが伝わったということであればうれしいです」
と喜んでいた。