「どのスポーツでも同じ話」?
では、なぜ現にサッカーを見続けるのかといえば、同研究ではまず「単に生観戦することでの興奮を期待しているから」だと指摘。キックオフ前の現地観戦ファンの幸福度は、7.9ポイントも急上昇していたという。また、「ファンはチームが勝てることを過剰に期待するうえ、敗北を経験してもその期待を修正したり学習したりすることがない」と考察している。
研究チームのピーター・ドルトン教授は発表文で、「サッカーファンは概して幸せにならないにもかかわらず、チームが実際に勝利したときに湧き上がる歓喜のため、敗北も我慢しているようだ。1度の勝利で、敗北の痛みはぬぐいきれないのだが」とコメント。サッカーによって生まれる感情は「経済学者として実に興味深い」としている。
この研究は日本のインターネット掲示板でも注目され、「強いチームが人気があるのはそういうことだね」「これはちょっとわかるな チームが弱いと見ると腹が立ってイラつく」などと同意する声もある。だが一方で、
「こんなもん熱心に応援してるチームがあったらどのスポーツでも同じ話だろ」
「負けたら勝った時の倍悔しいなんてのは、普段勝っている常勝チームの発想。勝てない、3-0でもセーフティリードではないチームを応援していれば、負けてもいい試合だったね、もう少しだったのにね、って感じだ」
とあまり真に受けていない声も見られた。