「甘ったれた意見」「あなたは病気です」――。2018年5月2日に記者会見した「TOKIO」4人の中で、最も怒りを表したのは松岡昌宏さん(41)だった。
女子高校生への強制わいせつ事件を起こして無期限謹慎処分となった山口達也メンバーを、松岡さんは次々に断罪した。だが、4人の中で最も涙を流していたのも松岡さんだった。
「甘えの根源が僕らTOKIOだったとしたら...」
山口メンバーは女子高生への強制わいせつ容疑で4月25日に書類送検の事実が発覚し、5月1日に起訴猶予処分が決まった。会見では、4月30日にTOKIO5人で会って2時間ほど話し、山口メンバーが土下座で謝罪したうえ、辞表を渡したことも明かされた。リーダーの城島茂さんが預かっているといい、「正直言葉が出なかった。その日は答えが出なかった」という。
松岡さんは、被害者とその家族、ファンや仕事関係者に対して「申し訳なく、情けない気持ちでいっぱいです」と謝罪したうえで、山口メンバーに対しては怒りの言葉を投げかけた。
「(4月26日の)山口の会見で、『自分にまだ席があるならそこに帰りたい』という発言を目にした時、山口の、彼の甘ったれたあの意見は一体どこから生まれるのかと思いました。おそらくあの時の彼は、自分が崖っぷちではなく、崖の下に落ちていたことに気付いていなかったと思います。そういったいろんな甘えの根源は一体何だろうとずっと考えました」
そのうえで、「TOKIO解散」の可能性にも言及した。
「『TOKIOに帰りたい。俺にはTOKIOがある。俺には帰る場所がある』。もしそういう気持ちが少しでも彼の中にあり、甘えの根源が僕らTOKIOだったとしたら、これはあくまで自分の意見ですが、そんなTOKIOは一日でも早くなくしたほうがいいと思います」
土下座で謝罪した山口メンバーにも、甘やかすことはしなかった。
「最初に言ったのは『僕らじゃない』。当たり前のことですが、『被害者の方に』と、『TOKIOのことは二の次三の次に考えてくれ』と言いました。それと、『正直あなたは病気です。自分の置かれている立場と今後のことにちゃんと向き合ってくれ。決してお酒は悪くない、悪いのは自分だ。その甘さと考えを改めてもらえない限り俺たちは何もできない。話すのはきっとそれからだ』と言いました」
「正直僕らはアルコール依存症だと思っていました」
山口メンバーは3月に警察の事情聴取を受けていたが、4月25日の報道までTOKIOの4人は事件を知らされておらず、それまで通りテレビ出演なども続けていた。松岡さんは「なぜその時点で、事務所やメンバーに言ってくれなかったのか」と悔しさをにじませ、
「そこが今回の一つの原因なのか、甘さなのかと考えると、どういう気持ちでテレビに出ていたのか。自分が逆の立場だったら、そのメンタルはないです」
と突き放した。
山口メンバーは自宅に女子高生を呼び出した時、酒に酔っていた。松岡さんは、同メンバーが「何度も何度も同じことをしてしまう。迷惑をかけたこともある。それでもやってしまう」と話していたことを明かし、アルコール依存症についても言及した。
「各方面のプロフェッショナルの方に聞きました。正直僕らはアルコール依存症だと思っていました。ですが、いろんな病院に診断書をもらってもアルコール依存症というのは出ていないんです。現に一昨日4月30日の診察でも、依存症とは書いていない。書いてくださったほうが何とか僕らも納得できるんです。どこが原因なのか、確認しないといけないと思っています」
一方で、厳しい叱咤を繰り返すたびに、その目からは涙があふれた。山口メンバーとは5歳差。「兄ぃ」と呼ぶなど、その背中を追ってきた仲だ。声が震えるのをこらえるように、決然として言葉を振り絞る姿からは、記者の目でも山口メンバーへの思いがうかがえた。
今後については「ありがたいことに番組継続というお声をいただき、僕ら4人にできることは何なのか考え、それをしっかり果たすことがプロなのではないかと、その狭間で戦っています。やめるのは簡単だと思います。与えられたことをきっちりやるのがプロだと思います」と活動継続の意思を表明。そのうえで、
「みなさんに見て、ご判断いただいて、TOKIOじゃないなという声が出たらその時考えたいと思います。4人なのか、なくすのか、しっかり考えたいと思います」
と話していた。