「勇気ある行動、リスペクトします」
解任については食い違いがいくつも浮き彫りになっている。田嶋会長は、解任理由を「選手と監督のコミュニケーションや信頼関係が薄れた」としていた。だがハリルホジッチ氏は、選手らとこまめに連絡を取りあい、食事も共にするなどしていたことから「何のコミュニケーションの問題もなかったと思っている」と真っ向から反論。突然の解任について「私が考えつく限りの最悪の悪夢」「通告には大変失望した。私へのリスペクトがなかった」と不可解さを露わにしていた。
中西氏の朝日への寄稿が反響を集めた大きな理由は、こうした協会に対する疑問をはっきりと投げかけたことにあったようだ。ハリルホジッチ氏が解任され、同氏が会見で困惑した思いを明かしてからも、テレビで活躍するサッカー専門家が「協会の説明責任」を指摘した例は少なかった。インターネット掲示板では寄稿に対して、
「中西よく言った」
「すごい正論」
「協会に説明義務があるのは明らかだけど田嶋が完全に逃げてるからな」
「協会との関係悪化を懸念し、口を噤む元Jリーガーが多い中で勇気ある行動、リスペクトします」
といった声が続々とあがっていた。サッカージャーナリストの河治良幸氏も1日、ツイッターで
「さすがは中西さん。地上波でも活躍されている人が、今回の解任決定の矛盾点に真摯に向き合って語ってくれているのは大きい」
と投稿していた。