「地銀の優等生」スルガ銀行に何が? シェアハウス事業会社破たんで金融庁が検査

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズ(東京)が経営破綻した問題に絡み、金融庁は物件オーナーの大半に融資していたスルガ銀行(静岡県沼津市)への立ち入り検査に踏み切った。

   融資審査で幹部が不正を行った疑いが浮上しており、事実なら厳しい処分を免れない。ユニークな経営で「地銀の優等生」と呼ばれたスルガ銀行に何があったのか。

  • (写真はWikimedia Commonsより。作者:kamonegi101.3さん)
    (写真はWikimedia Commonsより。作者:kamonegi101.3さん)
  • (写真はWikimedia Commonsより。作者:kamonegi101.3さん)

オーナーへの融資は1人当たり数億円

   「ふざけるな!」「土下座しろ!」。民事再生法適用を申請したスマートデイズが4月12日、東京都内で開いた物件オーナー向けの説明会。出席した150人以上のオーナーからは怒号が飛び、会場は騒然とした。

   スマートデイズは首都圏を中心に1億円以上する投資用シェアハウスを販売。銀行から融資を受けて購入したオーナーから物件を借り上げ、女子学生らに転貸する「サブリース」と呼ばれる手法で急成長した。オーナーには入居者数にかかわらず、約束した賃借料を支払うしくみで、「ローン返済を差し引いても不動産収入が得られる」という誘い文句につられ、約700人がシェアハウスオーナーになった。

   ところが、入居者数の低迷で賃借料の支払いは2017年秋から減額され、2018年1月には完全にストップした。スマートデイズは経営破綻し、オーナーには巨額の借金が残された。

   スマートデイズの特異なビジネスモデルを二人三脚で推進したのが、スルガ銀行だ。オーナーへの融資は1人当たり1億~数億円に上るといわれ、大半を同行の横浜東口支店が実行していた。オーナーが融資審査の際に提出した書類の預金残高が水増しされるなど、審査に通りやすくなるよう改ざんされたケースが多く発覚している。誰が改ざんを実行したのかについて、スルガ銀行は「調査中」としているが、当時の支店幹部や役員らがスマートデイズ側と結託して不正に関わった疑いが指摘されており、金融庁もスルガ銀行の融資審査体制や、不正を見抜けなかった背景について調査を進めている。

姉妹サイト