最大の困難は旧体制との戦い
だが、海南島にとって最大の困難は実に、現存する旧体制との戦いだ。最高水準の対外開放システムとして、自由貿易港の建設は多くの古い体制や多くの規則や制約を打破する必要があり、そのためには、海南島に非常に大きな自主権限を付与する必要がある。さもなければ、海南島は各方面の体制や仕組みからの束縛を受けることになり、各部・委員会との「規制をめぐる戦い」に疲れ果て、前進するのが難しくなることだろう。
国務院の各部・委員会による行政規則だけでなく、さらに多くの法律がかかわっている。将来、多くの法律を海南において一時停止させたり廃止させたりするという権限は全人代により付与され、上海に自由貿易試験区を建設した時と同じような状況になることだろう。海南島が自由貿易港を模索する上で、調整すべき法律及び法規システムは上海自由貿易試験区と比べてより複雑だ。海南省は、より強大になる必要があり、ハイレベルな人材によって国務院の各部・委員会、全人代の各専門委員会に対応する必要がある。これこそが、海南の党・政府システム全体に対する試練である。
しかし、ここ数年では、中央と地方の関係において、実情として地方の権力は小さくなる一方であり、中央の権力は拡大している。『人民日報』のコメンテーターは、記事上で「大胆に突き進み、恐れずトライせよ」と励ましているものの、実行するのは容易ではない。
それでも、おそらく40年前、誰一人として、後々になってGDP規模だけでなく、商品の豊かさ、都市の活力の面でも深センが香港を上回ることを想像していた人はいなかっただろう。
これから海南自由貿易試験区は、深セン以上の発展を遂げるのか。注目すべきではある。
(在北京ジャーナリスト 陳言)