中国・海南島は深センを超えられるのか 九州と同じ面積の経済特区

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南シナ海、アジア太平洋の「安定器」

   これまで中国には11カ所の自由貿易試験区があり、そのいずれも国内に主眼を置いたものだが、海南島全域で建設される自由貿易試験区は、単に海南島と中国の華南地域の発展をもたらすだけでなく、さらには東南アジアやアジア太平洋の成長を牽引、かつ地区全体の安全を促進することが期待されているからだ。

   中国共産党は海南島が南シナ海、アジア太平洋の安全における安定器となることを望んでいる。その論理は実に明快だ。東アジアやアジア太平洋の各国がみな海南に投資するならば、この地区に各国の巨大な利益が集まることになり、そうなればこの地区で安全面の問題を引き起こそうなどとは誰も思わないはずだ。こうして、地区全域の安全が保障されることになる。

   現在、海南省長を務める沈暁明氏は2017年3月に就任したばかりだが、彼はまさに上海からの転任である。上海で長きにわたって浦東新区や上海自由貿易試験区の管理に携わってきたことで、その自由貿易試験区のシステムを海南に導入し、これを土台に自由貿易港のシステムを「グレードアップ」するだろう。

   海南島に対しての「国際観光の消費センター」や「国家エコ文明試験区」という戦略的な位置づけは、海南島独自の産業面での発展を促進し、島全域において観光や健康、介護、医療などの分野において深い模索に値する潜在力がある。これらのうちの多くは日本の得意分野であり、日本にとっても多くのチャンスが眠っているといえる。

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