アパレル大手「BEAMS(ビームス)」が販売するTシャツについて、イラストレーターの高旗将雄さんが、自分の描いた絵をトレースした疑いがあるとツイッターで指摘した。
ビームスは、委託したデザイナーに事情を聴いたところ、参考にしたことを認めたとして、企業サイト上で謝罪した。
イラストレーターは逆に「コラボTシャツ」作成
足にフィンを着けたクマが、サーフボードと浮き輪を持って楽しげに歩いている。そんな白のTシャツには、「SANDIEGO SURFCLUB」と文字も入っていた。
高旗さんは、2018年4月26日のツイートで、偶然入ったビームスの店舗で購入したとして、Tシャツの写真をアップした。
その一方で、Tシャツのとそっくりなクマが描かれた絵もアップした。これは、13年6月に北海道内で開かれた「森のカフェフェス in ニセコ」で高旗さんがワークショップをしたときのものだ。そして、両方のクマの絵を重ねた写真をアップし、左手と足の部分を除いて図柄が一致して驚いたことを明らかにした。
高旗さんは、ビームスが高旗さんの絵をトレースしたTシャツを売っていたとしながらも、店でTシャツを買い占めたとして、高旗さんの絵をその上に印刷するなどした「コラボTシャツ」を勝手に作ったとその写真を投稿した。
ビームスには、過去にバッグを作らせてもらったこともあって怒っていないとし、何らかの解決策を示すようビームス側に提案した。
委託したデザイナー本人が「覚えがある」と認める
Tシャツのトレース疑いについて、ツイッター上では、「どっかのデザイナが個人的にやらかしたのかな」「なぜバレないと思ったのか」「BEAMSの信頼感が下がった」といった声が寄せられた。
一方、高旗将雄さんに対しては、「寛容、、」「この人も強い」と感心する声が出て、コラボTシャツが販売されれば買いたいとの書き込みが相次いでいる。
これに対し、ビームスは4月27日夜、企業サイト上でTシャツについてのお知らせを載せ、状況を説明した。
確認したところ、委託したデザイナー本人が高旗さんの絵に「覚えがある」と認めたとして、高旗さんに連絡して謝罪したことを明らかにした。同時に、酷似に気付かなかった管理体制の不備も認め、再発防止に努めるとした。
Tシャツは、13日から4104円で販売しており、ほかに子供向けのTシャツ(2052円)にも酷似が見つかったという。これらについては、販売を中止し、商品を回収のうえ、代金の払い戻しをするとしている。
高旗さんは27日、ビームスから謝罪のメールが来たことをツイッターで明らかにした。コラボTシャツについては、今後も作りたいとしている。