ハリルホジッチ暴露「不満をもらした選手は2人」「会長と直接やりとり」

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「一度として、誰も何も言ってくれなかった」

   ハリルジャパンでは若手のテスト起用が多く、FW久保裕也やMF井手口陽介など、その中で台頭してきた選手も多い。それも、

「私自身は今までやってきたあの選手に代わる選手がいないかと探してきた。競争原理を取り入れた。ベテランの尻を叩いて、今まで以上に頑張るよう言ってきた」

としており、あえてやってきたことだった。

   W杯予選を終えた17年9月からの半年間は、強豪相手の試合を組んだこともあって敗戦が多かった。だが、ハリルホジッチ氏はそれも試行錯誤の結果として前向きに受け止めていた。

「私の頭の中では、W杯に向けた調整だった。中盤(MF)とFWで何かいい解決策はないかと探していた。だから結果のことはあまり頭になかった。あくまでも試合で経験を積ませることができたと思った。結果は良くなかったかもしれないが、いろいろなデータ・情報を引き出すことができた」

   3月下旬の欧州遠征ではマリに1-1、ウクライナには1-2で敗れ、田嶋会長はこの結果を受けて解任を決断。自らハリルホジッチ氏の住むフランスに出向いて伝えた。その時のやり取りと動揺を、ハリルホジッチ氏は赤裸々に明かした。

「4月7日だった。パリへ呼び出しがかかり、何の事か分からずにホテルへ出向いた、こんにちはと言って腰かけた。『ハリルさん、これでお別れすることになりました』と言った。最初は『ジョークだろう?』と思った。『理由を仰っていただけますか?』と聞くと、『コミュニケーション不足』だと。そこで私は怒りが湧きたってきた。『え?どの選手と?』と聞いたが、『いや、全般的に』ということだった」
「3年間やってきたあらゆること、監督をしている人間へのリスペクトがないのではないか。一緒にやっているコーチの仲間も同じ思いだった」

   すると、田嶋会長への疑問を次々とぶつけた。解任を突然通告されるまで、一切の相談がなかったという。

「会長から言われたことは、『選手やコーチとのコミュニケーションや信頼関係が薄まった』ということだった。なぜか最後の遠征で弱まったようだ。私が疑問に思ったのは『誰』とのコミュニケーションの問題だったのか。選手からはたくさんの励ましのメッセージをもらったのに」
「なぜ(田嶋)会長にしても西野さんにしても、『ハリル、問題があるぞ』と一度として言ってくれなかったのか? 一度として、何かあっても誰も何も言ってくれなかった」
「2月のことだが、海外組の長谷部(誠)、(川島)永嗣、吉田(麻也)らに会いに行った。その時コミュニケーション問題は起きておらず、モチベーションは高かった。なぜかその1か月後、『コミュニケーションの問題』で解任された」
「『技術コミティ(委員会)が(信頼関係の)修復を試みた』と言っていたが、誰も私のもとには来なかった」
「会長はスタッフと話したというが、なぜ(日本人ばかりで)私の(外国人)スタッフとは話をしなかったのか」

   最後にハリルホジッチ氏は、「私は『真実を探しに来た』と言ったが、残念ながらまだ見つかってない」と無念さを露わにしていた。

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