サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ前監督は、解任後の2018年4月27日に開いた記者会見でも、右胸に「くまモン」のピンバッヂを付けていた。
ハリル氏は、熊本地震発生直後の16年5月に益城町などを訪問。それ以降、公の場でスーツを着用する際には、必ずくまモンのバッヂを付けて復興を願い続けてきた。不本意な解任劇を経ても揺るがぬ熊本への思いに、ツイッターには感動の声が相次いでいる。
ハリル氏「熊本県にも感謝を申し上げたい」
ハリル氏は旧ユーゴスラビア出身。現役引退後にはボスニア紛争を経験したこともあるだけに、「一刻も早く被災地を訪れ、励ますことが重要だと思っていた」(熊本日日新聞、16年5月7日付記事より)として、いち早く震災後の熊本を訪問。子供たちとサッカーで交流し、被災地を激励した。
震災後、公の場にスーツで出る際には、いつも胸にはくまモンのバッヂがあった。被災地を訪問した際に贈られたものだ。17年4月に熊本を再訪した際には、くまモンのバッヂを「ロシア(W杯)に連れて行きたい」などとコメントしていた。
しかし、ハリル氏は18年4月9日に日本代表監督を解任された。W杯を2か月後に控えるタイミングでの、まさかの出来事だった。このとき、くまモンは自身のツイッターで、
「ハリルさん、今までありがとうだモン。ボクのバッジを付けて、熊本のことをいつも励ましてくまさり、本当にうれしかったモン。ボクも、ハリルさんのことをずっと応援しているモン」
と、ハリル氏への感謝の言葉を投稿していた。
27日に行われた会見では、「(解任宣告は)最悪の悪夢」「リスペクトがなかった」などと、日本サッカー界への失望を露わにしたハリル氏。だが、熊本への思いは変わらなかったようだ。スーツの右胸に、ハート型をしたくまモンのバッヂが光っていたのだ。
実際、会見の中でハリル氏は「熊本県にも感謝を申し上げたい。特別なメッセージを熊本県から頂いた。立場は変わってしまったが、W杯前に熊本に足を運ぶと約束したので行きたいと思う。観光客としてね」とも言及していた。