TOKIO・山口達也メンバーの書類送検の報道を受けてすぐ、所属先のジャニーズ事務所はコメントを発表したが、それに対してのネットの声は厳しい。わずか2文と非常に短く、加えて問題の詳細に殆ど触れていない内容が、企業の謝罪文として不適切だ、という指摘が相次いでいるのだ。
一方、企業の危機管理の専門家の分析によると、この声明にはきちんと意図があるという。
「キスをしてしまいました」「和解させていただきました」
山口メンバーの書類送検がNHKで報じられたのは2018年4月25日16時50分ごろ。そのおよそ約1時間後、ジャニーズ事務所の
「お酒を飲んで、被害者の方のお気持ちを考えずにキスをしてしまいましたことを本当に申し訳なく思っております。被害者の方には誠心誠意謝罪し、和解させていただきました」
というコメントがメディアに流れた。
それ以前の報道では、山口メンバーが女子高生に対して強制わいせつをし、飲酒を強要した可能性もあるなどとされているが、そうした点には触れず、2文のみという短さで謝罪文としたことには、ネットでは「出さない方がマシ」という意見まで上がり、公式の文章なのかと疑問を持つユーザーも現れ、ファンからも事務所側への非難の声が向けられた。
26日には、山口メンバーの会見が開かれ、本人が涙ながらに経緯を説明、謝罪したのに加え、TOKIOの城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さん、長瀬智也さんの他のメンバーのコメントも発表されると、それらと比較され、「事務所のコメントよりしっかりしている」という声も上がった。
専門家は「ポイントを絞ったコメント」と分析
そうして非難にさらされている事務所コメントに、どのような意図があったのか。
企業の危機管理に詳しい株式会社エイレックスの江良俊郎社長は、26日のJ-CASTニュースの取材に対して、NHKが書類送検を報じてからすぐにコメントを発表したことについて
「まずはコメントを出すという、素早さを重視した対応」
と、話した。ネットでは山口メンバーにかかった容疑である「強制わいせつ」に関する言葉が含まれていないと批判されている文面については、
「『キス』と『和解』にポイントを絞っている。翌日に本人の言葉で話させるという流れの中で対応したのではないか」
と分析を語った。
実際に、26日の会見では、捜査中で話せないこともあるとしながら、当日の状況について山口メンバーが自身の言葉で語る場面もあった。