福島県が「TOKIO」のポスターを撤去した。
女子高校生への強制わいせつ容疑で、山口達也メンバー(46)が書類送検されたことを受けての対応だ。県担当者によれば、2018年度のイメージキャラクター起用も「白紙」になったという。
東京電力福島第1原発事故後、6年間にわたって福島の農産物の安全性をアピールするイメージキャラクターを務めてきたTOKIO。メンバーの国分太一さん(43)も、事件を受けて「本当に、福島の皆さんにもご迷惑を...」と大粒の涙を流した。
「福島の野菜は、味は変わらない」
2018年4月26日の「ビビット」(TBS系)では、山口さんの事件について福島県の内堀雅雄知事が「非常に驚いている。報道されている内容が事実であれば大変残念」とのコメントを発表したと紹介した。
これについて、MCの国分さんは「自分たちは『鉄腕DASH』という場所で、福島に本当にお世話になって、色んなことを教えて貰ったりして...」と、2000年から福島・浪江町で続けてきた企画「DASH村」に言及。その上で、
「だからこそ震災があった後、その思いもあり、福島の風評被害をなくすために、みんなで野菜を食べようということをアピールしてきました」
と、ときおり言葉に詰まりながら語った。
国分さんは続けて、「そういう部分で言いますと、本当に福島の皆さんにもご迷惑をおかけした」と謝罪。そして、大粒の涙をこぼしながら、
「でも、あの...、福島の野菜は、味は変わらないので。これからも引き続き...(5秒ほど言葉に詰まる)...、福島の野菜を、皆さんに食べてもらいたいです。本当に情けないです、申し訳ないです、本当に、申し訳ない...」
と訴えた。
だがこの日、福島県は県庁や農林事務所などの施設に掲示していたTOKIOのポスターを撤去した。
J-CASTニュースの26日午前の取材に応じた県農産物流通課の担当者によれば、18年度も引き続きTOKIOを広告に起用する方向で調整を進めていたが、山口さんの事件を受けて再検討することになったという。
福島のCMは「ノーギャラ」だった
福島県は2012年から、農産物の安全性をPRするポスターやテレビCMにTOKIOを起用してきた。しかも、出演料は「ノーギャラ」だった。CM制作者の箭内(やない)道彦氏が15年のイベントで明かしていた。
このとき箭内氏は、なぜTOKIOにノーギャラで出演してくれるのかを尋ねたところ、彼らからは、
「恩返しがしたいんです」
「もうしてくれなくていいよって断られるまで続けます」
との言葉をかけられた、とも語っていた。その後、県はこうしたグループの思いに応える形で、16年にTOKIOへ感謝状を贈呈している。
こうした福島への思いは、山口さんも同じだった。原発事故から約4か月後の11年7月には、「復興へのきっかけとして、どうしても行きたかった」と浪江町にあるDASH村を訪問。14年6月の福島県でのイベントでは、
「TOKIOといえば福島と言っても過言でない。まずは福島の野菜を手に取って、おいしいと感じたら福島に足を運んでほしい」
との思いも語っていた。