先日、あるラジオ番組に出演した。といっても、スタジオには行かずに、10分弱の携帯電話での出演なので、気楽に対応できる。
案件は、財務省の福田事務次官(当時)の辞任に関することだった。
今の国会の惨状は見かねる
まず、福田事務次官の退職金5300万円が高すぎないかというスタジオのコメンテーターからの問いかけだ。筆者は、その感想は人によって違うだろうが、退職金計算は法律によって決められていると答えた。筆者は高すぎるとの答えを期待されていたようだが、元官僚らしい事務的な答えにスタジオは意表を突かれたようだった。
次に、今回のような不祥事に対して、何かすべきことはないかという問いだった。筆者は、20年前に「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」があって、そのときには、大蔵省解体といって、当時の大蔵省から金融行政部門が分離されたといった。
それに対し、そうした意見がなぜ今の財務省の内部から出てこないのかと聞かれた。そのコメントを聞いたとき、組織解体論はその組織から出てくるはずがないだろうと思ったが、ラジオでの答えは、そうした官僚組織の対応は法改正によって行うので、立法府である国会議員がやるべき仕事であるといった。その答えに、スタジオは納得していない雰囲気だったので、今の国会では、野党は(維新を除いて)審議拒否している。官僚の不祥事に文句をいうには、法改正案を提出して対応すべきといった。
正直いって、ラジオ番組の雰囲気になじまなかったのかもしれないが、今の国会の惨状は見かねる。