若年層に広がる「ただでネットで読める」という認識に警鐘
また、
「特に若い世代では、電子書籍を買わないどころか、ただでネットで読めるのに紙のマンガをなぜ買わないといけないのかという認識まで広がりつつあります。この世代はまだ購買力の低いひとたちが中心ですが、10年後、20年後、いま書籍を買っていただいている年齢層まで次第に成長していくことを考えれば、出版業界は非常に危機的な状況であるといえるでしょう」
と、若年層の意識の変化に触れ、出版業界の将来的な危機についても警鐘を鳴らした。川上さんによると、着実に成長してきた電子書籍の売り上げが17年8月から急減しており、中でもコミックは前月比で減少するようにもなっているという。
ブロッキングに関しては約5年前から知財委員会で訴えてきたものの、議論が進んだのはフリーブックス問題以降の17年8月からだといい、「いくつかの偶然が重なった奇跡的なこと」だといい、
「今回の政府のブロッキングにかかわる施策を拙速だと批判するよりも、変化の早いネットの世界に比して対応が後手にまわりがちで時間もかかっていた法制化の議論を、一挙に進める好機だと関係者の皆様には捉えていただき、違法サイトに対して実効性のあるブロッキングの法制化にむけて、みなさんの知恵をお借りできればと思っています」
と理解を求めた。