ウェブメディア「LITERA(リテラ)」が2018年4月25日、週刊文春が「林芳正文科相の性風俗通いを報じる」という誤った記事を配信したとして謝罪し、問題の記事を削除したと発表した。
発表によれば、リテラ編集部は該当の文春記事を確認せずに、上記のような間違った情報を掲載した。記事で「性風俗店」としていたヨガ店についても、「店舗名などの具体的な情報」は入手していなかったという。
記事の「書き換え」繰り返す
リテラが削除したのは、24日午前に「林芳正文科相の性風俗通いを文春がスクープ! 前川前次官の出会い系バー問題を糾弾した安倍官邸はどう対応するのか」とのタイトルで公開された記事だ。
この記事では、25日発売の週刊文春が「林芳正文科相の性風俗通いを報じることがわかった」と表現。さらには週刊誌記者のコメントとして、
「表向きヨガスタジオなのだが、じつは性的なサービスをおこなっているヤミ風俗らしい」
とも書いていた。記事の後半では、文部科学省・前事務次官の前川喜平氏の「出会い系バー通い」報道を引き合いに出す形で、
「前川氏が通っていたとされる出会い系バーでは、林文科相が通ったとされる風俗店とはまったく違い、性的サービスなどは受けることなどできない」
とも指摘。このとき前川氏を激しく批判していた政権側は、林氏をどう処分するのか――などと迫っていた。
だが、該当の文春記事には、林氏が通っていた店を「性風俗」とする記載は一切なかった。カギカッコ付の「キャバクラヨガ」という表現は出てくるが、性的なサービスについては言及していない。
こうした報道を確認したためか、リテラは24日深夜までに問題の記事を複数回にわたって「書き換え」。見出しや本文からは「風俗」というワードが消え、さらには週刊誌記者のコメントからも「性的なサービス」という表現が消えていた。
「公益性があると考え、配信に踏み切りました」
その後、リテラ側は翌25日未明になって、「林芳正文科相の"風俗通い"報道の記事についてお詫びし削除します」と題した文書を発表。記事の内容に「不正確な点」があったとして、「記事を削除してお詫びいたします」と謝罪した。
発表によれば、リテラ編集部は問題となった記事を公開した時点で、
「『週刊文春』の記事の現物を確認できず、店舗名などの具体的な情報も入手していませんでした」
という。
ただリテラ側は、複数の関係者への取材を通じて、林氏が公用車を使ってヨガ店を訪れていたなどの情報を得ていたとも釈明。その上で、「この報道に対する安倍政権の対応を予測することには公益性があると考え、配信に踏み切りました」とした。
だがその後、リテラ編集部が該当の文春報道を確認したところ、自社の記事に記載していた「性風俗」という表現が記事中にないことが判明したという。
さらにリテラ側は、林氏が通っていたとされるヨガ店について「『風俗』的な『セクシーなサービス』を行っていることは確認できませんでした」とも報告。その上で、
「『風俗』『セクシーなサービス』といった不確かな情報を掲載したことは関係者を傷つけ、サイトの信頼を大きく損なうものです。ここに記事を削除し、関係者の皆様に深くおわびいたします。また、信頼を裏切った読者の皆様にもあわせて深く謝罪します」
と改めて謝罪した。