警視庁が防犯情報について配信するメールサービスで、不審者の特徴を伝える際に「星野源に似た男」と、ミュージシャンで俳優の星野源さん(37)を引き合いに出していた。
後日、「不適切な内容」だったとして「お詫び」を書き添え、上記の表記は削除した新たなメールを配信している。
「黒色リュックサックを背負った小柄で...」
希望者に地域の防犯情報を配信するメルマガ「メールけいしちょう」は2018年4月20日、東京都練馬区の路上で男が女子生徒の体を触る事案があったとして、注意喚起のメールを送信。「不審者の特徴」として、「年齢20代、黒と白色のパーカー、黄土色ズボン、メガネを掛け、黒色リュックサックを背負った小柄で」という記載に続いて、
「星野源に似た男」
と、星野源さんの名前が書かれていた。
特定の芸能人の名前を出して不審者の描写がなされたことに、インターネット掲示板では「星野源可哀想すぎる」「風評被害」「もっと抽象的に言えるじゃん」「嫌がらせかよ」などと疑問の声が殺到した。
メールけいしちょうは22日、このメールについて「訂正いたします」と追って配信。上記の不審者の特徴についての記述は「...黒色リュックサックを背負った小柄な男」と、星野さんの名前がなくなっていた。それ以外の記述に変わりはなかった。
あわせて、「先に送信したメールにつきましては不適切な内容が含まれていましたので、お手数ですが破棄していただきますようお願い申し上げます」と呼びかけ、「利用者の皆様にはお詫び申し上げます」とメール登録者に謝罪している。だが、23日夕時点で、星野さん側に謝罪はなかったという。
23日のNHKの報道によると、事件を担当している光が丘警察署の警察官が女子生徒の目撃情報をもとにメール文面を書いた。上司が確認のうえ配信したが、外部から「関係のない個人名を出すのは不適切ではないか」などの指摘が複数寄せられ、訂正メールの配信に至った。メールけいしちょうには25万件のアドレスが登録されているという。