いま「セクハラの境界線」はどこにあるのか―。
2018年4月21日に情報番組「情報7days ニュースキャスター」(TBS系)で放送された、「最新のセクハラ事情」が議論を呼んでいる。
セクハラの境界線は「グレーゾーン」
福田淳一・財務省事務次官の「セクハラ発言疑惑」が取り沙汰されている今、番組では「最新のセクハラの境界線」というテーマで、職場におけるセクハラについての特集が組まれた。セクハラ問題に詳しい、HRストラテジーの人事・戦略コンサルタントの松本利明氏は、男性が自分の言動がセクハラかどうかを判断するのが難しい現状を話す。
「いま境界線がグレーゾーンになってしまって境界線がわかりにくくなってきていて、男性からみるとこれがセクハラなのかと思うところがセクハラ認定されてしまうのが現状」
男性が良かれと思ってした女性への気遣いが、裏目に出ることもあるという。「女子力高いね」「今日もきれいだね」「足細いね」「スタイルいいね」などといった「ほめ言葉」も危険だ。この他、「カラオケでデュエットに誘う」「『今日は化粧が濃いね』と言う」「2人きりの夜の食事に誘う」などといった行為は、繰り返せばセクハラになる可能性があるという。
SNSにも注意点がある。グラディアトル法律事務所の刈谷龍太弁護士は、SNSが危険な理由の一つには、「相手との距離感を間違えやすいこと」があると話す。
LINEでの会話を例に、たとえ女性からハートマークがついたスタンプが送られてきたとしても、男性は恋愛感情をにおわせるようなスタンプは送らないほうが無難だと説明した。
具体的には
「ウサギのコニーとクマのブラウンが抱き合っているようなスタンプなどは非常に危険」
だと話している。コニーとブラウンはLINEの公式キャラクターで、これらのスタンプはアプリダウンロード時から無料で使用できる。
「何が怖いかって、人によって境界線が変わる」
セクハラになりうる言動して紹介されたこれらの行為に、ツイッター上では「厳しい」「過剰では」といった声も散見される。特にこうした意見は女性と思われるアカウントに多い。
「これは、女子から見ても厳しすぎます」
「セクハラのボーダーめっちゃ低!!!」
「少し過剰なのでは...?って思う私は現代に適応できてない」
「セクハラの境界線が低すぎて、男の人がかわいそうになってきた」
とはいえ、多数派意見として見られるのは「人によって変わる」というものだ。
「セクハラの何が怖いかって、人によって境界線が変わることでしょ」
「セクハラって難しいよなあ。女性の受け止め方次第で罪になる」
「本人が嫌だと思ったら、それはセクハラと呼んで良いのかな?」
「結局何を言ったかではなく誰が言ったか でしょ」
言われた本人がどう受け取ったかによるところが大きく、同じ発言でも相手が「おじさん」ではなく「イケメン」だったら許されるのでは、といった意見もある。