量子コンピューターの覇権に動く中国 米国との「もうひとつの戦争」

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少ない米国政府の研究費

   一方のアメリカはどうか。

   IBMは2016年5月、量子計算プラットフォーム「Quantum Experience」を開発し、ユーザーがIBM量子CPUを使って量子アルゴリズムの実行、個々の量子ビットの操作などの試験的な使用を許可し、量子計算の「無限の可能性」を知ってもらおうとした。

   2017年夏にはCPUをレベルアップし、同年末に、世界初の50量子ビットの量子コンピューター原型器のデビューを宣言した。このほかにも、IBMは業界初の商用の汎用量子計算プラットフォームIBM Qの制作を計画、さらにJPモルガン・チェース&カンパニーなどの企業と協力して、2021年に金融領域での初の量子計算アプリを打ち出す計画だ。

   IBMのほか、グーグル、マイクロソフトも相次いで参戦している。2018年3月には、グーグルと米航空宇宙局(NASA)などが連携して設立した米国量子人工知能実験室は、ロサンゼルスで開かれた米国物理学会年次総会で72個の量子ビットの量子CPUを発表。この「ブリッスルコーン・パイン」と命名されたCPUは、計算領域にコペルニクス的な大転回を引き起こすと広く考えられている。マイクロソフトも量子計算研究を開始してすでに12年を超えている。

   しかし、米国政府が量子コンピューター領域に投入する金額は中国に比べて「全然足りない」と一部の研究者たちは指摘している。ブルームバーグ・ニュースは米国政府の2016年7月のレポートを引用して、政府出資の量子研究費が毎年2億ドル程度に過ぎないことを明らかにしている。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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