量子コンピューターの覇権に動く中国 米国との「もうひとつの戦争」

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「国家チーム」とアリババが共同

   これまでのところ、量子計算の領域における中国のパフォーマンスには目をみはるばかりである。

   中国政府が量子計算の分野に投入している金額について、『澎湃新聞』は、安徽省合肥市に現在建設中の量子情報国家実験室の総投資額だけで約70億元(約1190億円)に上る、と報じている。

   世界初の光量子コンピューターは2017年5月3日、中国で誕生した。研究チームは超伝導量子ビットの操作をレベルアップさせ、超伝導量子中央演算処理装置(CPU)で迅速な量子計算を実現した。

   注目に値するのは、この光量子コンピューターは、中国科学技術大学、中国科学院、アリババ(阿里巴巴)量子実験室、浙江大学、中国科学院物理研究所等が協同して研究開発に参加していることである。

   民間企業では、アリババのほかに、テンセント(騰訊控股)、バイドゥ(百度)の2大IT大手も先を争って滑走路に出ようとしている。

   テンセントは一企業規模の量子実験室を立ち上げ、量子通信など一部の技術をテンセント・クラウドの一部業務や製品にドッキングする試みをしている。

   バイドゥも「5年以内に世界一流の量子計算研究所を創設する」と宣言している。

   このほか、量子通信領域で、中国はすでに世界的に突出している。 また、中国で「量子の父」と呼ばれている中国科学技術大学の潘建偉教授は、世界初 の「1000キロ級」人工衛星―地上間双方向量子通信に成功しており、2017年9月29日には、世界初の量子暗号通信「北京-上海幹線」を正式に開通させている。

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