『日報隠蔽』の著者に聞く(下) 南スーダンPKO、自衛隊はなぜ危険な現地に踏みとどまったのか

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隊員たちはたまらない

――イラクのPKOでは帰国して自殺者もたくさん出ています。

三浦 やっぱり負担が想像以上に大きい。いつ撃たれるかわからないっていう現場で、バンバンバンバン撃たれた時に、自分たちはどうすればいいのか。そのストレスは半端じゃない。自衛隊は、隊員が帰国してきた時に、どうやってメンタル面のケアをしているのかが気になりますね。同じようにPKOに加わったドイツでは、僕が取材に行った時は、隊員のメンタルケアがすごく問題になっていました。
 PKOは自分たちの国を守るわけではない。根源的な使命感を持ちにくい一方で、割と危険が大きかったりする。でも彼らは命を張って仕事に従事する。そうするとどこかで無理が生じて、帰ってきた人は、結構メンタルで参ってしまうんですよね。何のために自分たちは行ったんだろうっていうことも含めて。
 現地で頑張った自衛隊員にしてみたら、帰ってくると日報問題でしょ、これ、たまらないと思いますよ。稲田大臣が、戦闘じゃありませんでした、っていうのを聞いてどう感じるだろうかと。自分のトップが、日報はありましたが、隠蔽じゃないです、って言う。
 実際、気温40何度のところで道路を造ったりとか、色々やっていた人たちがいるんですよ。その人たちっていうのが正しく評価されないで、結局、日報を隠蔽してしまったというふうに、ひとくくりにされてしまうっていうのは、僕はすごく悲惨だなと思います。あれだけやったのに。僕は現場で見ているから、なおさらです。
 だから、今回の南スーダンPKOって、もっともっと研究者とかですね、私たちのようなジャーナリストも含めて、しっかりとその功罪を検証していかないといけない。ここで終わりの話じゃなくって、次につながっていく話でもあるので。もっともっと突っ込んでやらないといけないですよね。そのためには「正しい文書」が絶対に必要なんです。
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